『理念と経営』WEB記事
特集
2026年3月号
採用ブランディングで 若手が集まる町工場に

株式会社タシロ 代表取締役社長 田城功揮 氏
人手不足に悩む町工場が多い中、「社員の8割が20代」という若手が集まる会社がある。業界の未来を見据え、働き方改革とブランド構築に挑んできた若き経営者の戦略を追った。
技術力は高いが……
田城功揮氏(33歳)は大学卒業後、大手人材紹介会社勤務を経て2019(平成31)年、26歳でタシロに入社する。祖父が創業し父が社長を務める家業だが、知っているのは板金加工業という業態くらい。そこで、まずは会社の理解を深めようと得意先を回って自社のイメージを聞いて回り、社内でもヒアリングを試みた。
「技術力が高く無理な納期にも柔軟に対応してくれると、お客様の評判は上々でした。一方で、日本人の採用が難しく、業務改善や判断を任せられる人材が限られるという深刻な社内事情も浮かび上がってきました」
この結果から、従業員が安心して長く勤めることができ、なおかつここで働きたいと多くの人に思ってもらえる会社にしようと、田城氏はまず社内の働き方改革から手を付けた。
「就業規則を見直し完全土日休み、残業ゼロ、半日休暇制度、時短正社員制度、表彰制度、資格手当制度などを導入しました。人事評価は基準を明確にして努力が報われるように変更するとともに、ビジネスマナーや中途・新人向けといった研修も始めました。また、社員の休みが増えたからといって、当社の強みである超短納期が継続できなくなるようでは元も子もありません。そこで、多能工化や報連相の徹底、社内の情報共有強化などで作業効率を高め、対応できるようにしました」
ただし、これらの施策で既存社員にとって働きやすい会社になっても、それがそのまま人手不足解消につながるわけではない。ここで働きたいと思ってもらえるような魅力を対外的にアピールする必要がある。田城氏がとったのが、自社製品を開発しPRを行うことで認知拡大するというブランド戦略だ。
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取材・文 山口雅之
写真提供 株式会社タシロ
本記事は、月刊『理念と経営』2026年3月号「特集」から抜粋したものです。
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