『理念と経営』WEB記事

原点を忘れず、勝つまで闘える戦略を練る

株式会社学研ホールディングス 代表取締役社長 宮原 博昭 氏

――防衛大卒、地域限定の嘱託社員での採用と、異色の経歴です。

宮原 確かに異色ですね。同じような経営者はなかなかいないと思います。

――なぜ学研に?

宮原 最初に就職した、貿易会社でトップの営業成績を出していたのですが、何か物足りなさを感じたのです。“俺の人生、これでいいのか”と。もっと社会をよくする、生活者の皆さんを守るような仕事をしたいと思いました。独立国家として大切な要素は安全保障と医療と教育の3つです。父のように医者になることも考えたのですが、神戸新聞にたまたま学研の地域限定社員募集の広告があったのです。

――そこから社長になられます。その原動力は何だったのでしょう。

宮原 日本の子どもたちのために働きたいという思いです。すでに教育が崩壊していると言われていましたから。

――使命感ですね。

宮原 まさにそうです。人が働く理由は使命感から生まれる。そう思います。

――社長就任は2010年です。前任の遠藤洋一郎社長の言葉は「お前は逃げないし、玉砕しない」だった、と。

宮原 はい。約20年にわたる減収で「底なし沼」状態でした。V字回復するためにまずやったのは学研の歴史を紐解くことでした。ひたすら社史を読み、OBたちに会って話を聞きました。

――なぜ歴史を?

宮原 10年の計画をつくるには、少なくとも30年前まで遡って考えるというのが軍事出身の人間にとっては当たり前だからです。いろいろな発見や学びがありました。「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」という創業者、古岡秀人の精神に触れることができましたし、学研に流れていた3つの遺伝子についても知りました。

――その3つとは?

宮原 まず「顧客視点を持つ」。だから教育ではなく、子どもの自らの学びを支える意味で学習雑誌『学習』『科学』(ともに2010年に休刊)を発行したのです。次に「0から1を創る」。常にイノベーションを目指してきた。そして「商品価格の価値を超える」ことです。

聞き手 鳥飼新市
撮影 伊藤千晴


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本記事は、月刊『理念と経営』2026年1月号「トップインタビュー」から抜粋したものです。

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