『理念と経営』WEB記事

Z世代を過度に恐れず、 堂々と自社の魅力を伝えよう

東京大学大学院経済学研究科 講師  舟津昌平 氏

対談では、さまざまな年代の社員をまとめる、社長という立場のお二人に話を伺った。ここでは、企業の組織論に詳しい経営学者・舟津氏に、どのようにして若い世代と組織文化を作っていくべきかヒントを聞こう。

Z世代のイメージは作られたもの?

Z世代を理解するためのポイントは、「Z世代はこういう人たち」というイメージにとらわれないことです。

例えば、2024(令和6)年の早期離職率(新卒入社後3年以内に離職する割合。つまり、24年の早期離職率は、21年4月入社の社会人が24年3月までに辞めた割合を総計したものとなる)は過去15年で最高の34.9%を記録し、メディアはZ世代がいかにも早期離職の傾向が強いように報じました。

しかし、厚生労働省が発表した「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」のデータを見れば13(平成25)年の31%から23(令和5)年の32.3%まで、大差ありません。

確かに「過去最高」ですが、2.6%増えただけ。これがZ世代の大きな特徴と言えるでしょうか? 同じように、たいした根拠もなく作り上げられたZ世代の特徴はいくつもあります。

しかし、Z世代に特有の傾向がないのかといえば、あるはずです。私が教員として若者たちと身近に接していて感じるのは、「失敗してはいけない」という感覚が強いこと。その背景にあるのは、家庭や企業の変化です。

取材・文 川内イオ
撮影 編集部


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本記事は、月刊『理念と経営』2025年11月号「特集2」から抜粋したものです。

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