『理念と経営』WEB記事
企業事例研究1
2025年2月号
人の一生に寄り添う 事業展開がしたい

セルビスグループ 代表取締役 坂元正幸 氏
セルビスのポリシーに「生まれてから、また生まれ変わるまでをサポートする」というものがある。創業者である父の理念を受け継ぎ、お客様のライフサイクル全般に関わっていく同社。その理念の根幹に迫る。
お客様第一の父、その理念が基盤
大阪府堺市に本社を置く冠婚葬祭業のセルビス。創業以来、堺市に隣接する府下南部を地盤に業績を伸ばしてきた。
本業ばかりか、レストラン、カフェ、ベーカリー、老人ホームや介護施設など、じつに多くの事業を展開している。それらの事業の一つひとつが、本業から派生していったものばかりだという。
-多角的にいろいろな事業を展開されています。
坂元 はい。よく「何をされている会社ですか」と聞かれますが、「いろんなことをやっています」と答えるしかないんです(笑)。
―本業は冠婚葬祭業ですね。
坂元 そうです。埼玉で冠婚葬祭のギフトの会社と互助会の代理店をやっていた父、現会長ですが、その父が互助会の協会のほうから相談されて経営が芳しくない堺互助会を買い取ったのが始まりです。
―1977(昭和52)年ですね。
坂元 はい。互助会って会員さんのお金を預かっているので潰してはいけないんです。
―セルビスという名前になったのは、いつ頃からですか?
坂元 93(平成5)年に、父が社名を公募して決めたんです。選んでいただく「セレクト」と「サービス」とを合わせた造語です。お客様から選んでいただけるサービスを提供する、という父の考えにピッタリだったのでしょう。
―と、言いますと?
坂元 当初は、自前の結婚式場もなく、葬儀の仕事もたまにしか入ってこないような状態だったようです。父は会員さんを増やすために地道に営業をし、葬儀の依頼を受けたときは心から喪主様の力になったと言うのです。まだ自宅葬ばかりの頃で、父は一晩中その家の近くに車を停め夜中にこられたお客様のご案内をしたり、靴を揃えたりしていた、とよく聞かされました。
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取材・文 中之町新
撮影 丸川博司
本記事は、月刊『理念と経営』2025年2月号「企業事例研究1」から抜粋したものです。
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