『理念と経営』WEB記事

異論も含め、 まずは社員の声を受け止める

株式会社ナオミ 代表取締役会長 駒井亨衣 氏

液体、粘体、粉体、粉末などを注入する充填機メーカーとして活躍する株式会社ナオミ。2009(平成21)年に父の会社を継いだ駒井亨衣会長は、当時従業員8名、年商2億ほどだった会社を、40名、10億円を売り上げる会社へと成長させてきた。一貫して心掛けてきたのは、「傾聴」を通じた社員との絆づくりである。

言いたいことを言える会社に

私がナオミの人材教育で最も重視してきたのは、いかに社員のコミュニケーション力を高めるか。なぜなら、人の話に真摯に耳を傾け、自分の意見や考えをきちんと相手に伝えられないと、正しい方向に持てる力を十分に発揮できないので、仕事でも良い結果が出せないからです。私はこのことを、子育てを通じて学びました。

私の娘と息子は、ともに不登校の時期を経験しています。原因は私にありました。正しいのは親である私だと勝手に思い込んで、子どもたちに「ああしなさい、こうしなさい」と自分の価値観を押しつけ、コントロールしようとしていたのです。彼らには彼らの考えがあるのに、聞こうともしなかった。親に認めてもらえないくらいつらいことはありません。やる気が失われるのは当然です。

あるとき私はこのことに気づき、愕然としました。そして、そこから、子どもの話をちゃんと聞き、そういう考えもあるんだとそれを受け入れ、そのうえで、じゃあどうすればいいか一緒に考えようというように、自分の姿勢を改めることにしたのです。ようやくそれができるようになって、子どもたちが再び学校に通い始めるまで、2年かかりました。

こういう経験があったので、10年前にナオミの社長に就任すると、真っ先に、「社員が言いたいことを言える会社にしよう」と決めたのです。私の父でもある先代社長は、周囲の意見にまったく耳を貸さない超ワンマン。黙って指示に従う働き方が染みついた社員のモチベーションは低く、彼らのやる気を引き出さないかぎり、会社がよくならないのは明らかでした。だったら、個々の社員からやりたいことを聞き出し、それをしてもらったらいい、私はそう考えたのです。

社長が変われば会社は変わる

しかし、いきなり「あなたは何がやりたいの?」と聞いても、すぐには出てきません。そこで、経営課題や解決策を、経営者と社員が対等の立場で話し合う「傾聴会議」を始めました。なぜ傾聴かというと、自分の意見を言う前にまず相手の話をよく聞くことが、コミュニケーションの基本だからです。

取材・文 山口雅之
写真提供 株式会社ナオミ


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本記事は、月刊『理念と経営』2022年2月号「特集2」から抜粋したものです。

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