『理念と経営』WEB記事

大きな目標が、大きな成功を引き寄せる

福井県立福井商業高等学校 チアリーダー部「JETS」顧問教諭 五十嵐裕子
取材・文 磯部らん

2017年の全米チアダンス選手権大会で5年連続、通算7回目の優勝を成し遂[と]げ、映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」のモデルにもなった福井商業高校チアリーダー部「JETS」。勝因の一つには、チーム発足時から継続している「夢ノート」がある。圧倒的な熱量で、生徒たちの心に火をつけた顧問の五十嵐裕子教諭に、チームづくりのポイントを聞いた。

黒のトレーニングウェアに身を包んだ五十嵐裕子教諭は、キビキビとした身のこなしで元気に取材ルームに現れた。スパルタ式の厳しい先生をイメージしていたが、とても人当たりのよい、さわやかな笑顔が印象的だ。

偶然見た情報番組がターニングポイントに

教職に就きたいと思ったきっかけは、中学時代に見た「3年B組金八先生」や「スクール☆ウォーズ」など熱血教師のテレビドラマの影響だという。
「教師一人の力で生徒や組織が変わる……、教師の力ってすごい、自分もそのような熱血先生になりたいと憧れました」
しかし、その熱血が仇となり、最初に赴任した高校では、空回りの連続だった。
「当時の私の問題点は、生徒を見下していたことです。『あなたたち、今のままじゃダメよ』と……。
それと、自分が頑張ればうまくいくと勘違いしていました。エネルギーも馬力もあったので独りよがりもいいところ。生徒はいい迷惑だったと思います」
悪戦苦闘の日々は11年続いたが、「自分はだめな教師だ」と自己否定に陥り、異動希望を出して次の赴任先が決まるのを待っているとき、一つの転機が訪れる。
たまたま見ていた朝の情報番組で、神奈川県立厚木高校のチーム「IMPISH」の全米チアダンス選手権大会優勝を告げるニュースが取り上げられたのだ。
キラキラした笑顔で、堂々とダンスを披露する女子高生たちは、まるで命が輝いているようだった。
「これだ! 次はこれをやろう」
思わず、そうつぶやいた。
2004(平成16)年春、次の赴任先が福井商業高校に決まり、そこにバトン部があると知ったとき、五十嵐さんの中で目標は固まった。
「バトン部をチアリーダー部へと変革していこう。そして全米優勝に導こう!」

チアダンスはあくまで人づくりのツール

チアダンスという競技には、笑顔で人を応援するという本来の意味があり、主役・脇役があまりなく、大勢でつくり上げるというところも魅力だ。
だが、五十嵐さんにとって最大の目的は、なんといっても「目標は達成できる」という成功体験を教えること。
チアはそのツールに過ぎない。目指す目標は、とてつもなく大きな「全米制覇」だ。
だからこそ、福商バトン部でも、まずは校則を守る、マナーを守る、挨拶は元気にする、掃除を徹底するなど、基礎的なことから力を入れた。
赴任当時のバトン部は、見た目重視のかわいい子が好んで入るような「ギャル集団」。かわいいユニホームを着て運動部の応援に行き、
野球部の彼氏をつくることがステイタスになっていた。
そんな彼女たちの目を、少しずつチアに目を向けさせるために五十嵐さんが活用したのは、チアダンスのビデオだった。
「JETSでうまくいったのは、厚木高校が全米優勝したときの映像を何度も何度も見せたことで、私の頭にしかなかったものを生徒と共有できたからです。
口で言っただけでは無謀としか思えない話が、ビデオで何度となく見せていくうちに、生徒たちのなかで現実味を帯びていったのです」

夢ノートは成功への小さな種まき

もう一つ、地道に取り組んだのが「夢ノート」を書くことだった。五十嵐さん自身、大学を卒業してからずっと目標をノートに書いてきた。
仕事編、体編、家族編などに分け、やりたいことを期日とともに100個以上箇条書きにする。

本記事は、月刊『理念と経営』2017年9月号「チアダンス全米制覇をかなえた「夢ノート」」から抜粋したものです。

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