企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

チーム力は、全員の才・力・徳・位を統合する

昨年の米大リーグのワールドシリーズは第七戦にまでもつれ、チームの力が勝っていたドジャースの二連覇で幕を閉じました。チームの力は、野球だけではなく企業経営にも同様に必要です。

チームへの貢献を最優先した結果の優勝

 才能は誰もが等しく持っています。しかし、二宮尊徳翁は「才能があってもその力なき時は行われず」と述べています。才能は自分でも知らない深い深い脳内・体内に隠れており、実践や学問を通して自分の奥の中から引き出さなければ、つまり、努力しなければ顕在化しません。

 昨年のワールドシリーズは、チーム力によって強敵ブルージェイズを破り、ドジャースが二連覇しました。チーム力の「努力」について現場力を考えてみたいと思います。

 ちなみに、ブルージェイズは「俺が、俺が」と、自己主張が強く最下位に甘んじた時もありましたが、現在は「皆は、皆は」のチームになって、ワールドシリーズでもドジャースをしのぐ試合運びのシーンが多くありました。ライバルも努力しています。

 大谷翔平選手はチームへの貢献を第一と考えています。初戦は惨敗しますが、第二戦は先発の山本由伸投手が四回以降走者ゼロに抑え、日本選手初の完投勝利を挙げました。次の第三戦は観客側も過剰に緊張しました。一九回延長を想定してあえて山本由伸投手は投げる決意で志願します。ドジャースの全員が「チームへの貢献」を最優先した結果の優勝です。

 七戦すべてが個人プレーを感じさせない試合運びです。第三戦は大谷選手が二本のホームラン、佐々木朗希投手が八、九回を抑え、一八回裏に「山本に投げさせられない」と、フリーマン選手のホームランで六時間三九分の試合を制します。

 チームの力とは、全員の「才能・力・徳・位」を統合させます。現場力とは相互に支援し合いチームを一つにする力です。

組織成立に必要な三つの要素

  チームとは組織です。個人ではできないことを組織は可能にします。家族も組織であり父母兄弟が共通の価値観を持てば、幸せな組織になります。お互いが慈しみ敬う価値観を持つことで健全な組織になるのです。企業経営も同じです。組織とは単なる人の集まりではなく、米国の経営学者、チェスター・バーナード氏は、組織の必要条件として三要素を述べています。①コミュニケーション、②貢献意欲、③共通の目的です。

 バーナード氏は実際の電話関係の会社を経営する実践者であり、それにご自分の考えを加えて体系化されたものです。的を射たベストな組織論です。

 ワールドシリーズを事例に、勝利の要因が「チーム力」であると述べましたが、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督も偉大です。温和でありながらプロフェッショナルな選手たちとコミュニケーションを通して相互信頼関係を築きあげ、選手一人ひとりの球団や観客に対する貢献意欲を高めます。さらにワールドシリーズで優勝するという「共通の目的(ビジョン)」に向かわせます。

 組織とは、大勢というイメージがありますが、二人以上の人間が「共通の目的」を持つことが絶対条件なのです。ドジャースの選手たちの相互信頼関係は、一にコミュニケーションだといえます。二にチームだけではなく、観客に対する貢献意欲が高いのです。現場力とはこの三条件が満たされた状態ともいえます。

本記事は、月刊『理念と経営』2026年3月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

成功事例集の事例が豊富に掲載
詳しく読みたい方はこちら

詳細・購読はこちら

SNSでシェアする

無料メールマガジン

メールアドレスを登録していただくと、
定期的にメルマガ『理念と経営News』を配信いたします。

お問い合わせ

購読に関するお問い合わせなど、
お気軽にご連絡ください。