企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
現場力
2025年12月号
企業の教育力が最後の砦

新渡戸稲造先生は、「人間は個人を超えた大きな利益を考える時、他人を羨む気持ちは少なくなる」と述べています。日本が技術大国として生き残っていくためにも、企業の現場力が問われています。
テクノロジーで日本は相当遅れた
管理力ではPEST分析の、「P=政治」「E=経済」「S=社会」について触れました。四番目が「T=技術(テクノロジー)」です。ITやAIなどで日本は相当の遅れをとっています。
一方で、アメリカのテクノロジーを支えているのが日本の精密部品だといわれます。しかし、その競争力は落ちており、製造現場の日々の努力が報われるように、経営陣は製品の機能性だけではなく、マーケティング力も求められています。努力する現場の方々が目標を達成して自己効力感を高められるような方針が求められるのです。
OSや動画配信サービスといった巨大テック企業に利用料を支払う「デジタル赤字」は、二〇二四年度に約六兆七○○○億円に上りました。日本企業の主要七四品目のシェアが落ちていることは、高市早苗首相がどのような産業政策をとるかで決まります。「技術立国日本」を取り戻すべく、ソフト分野のニッチ市場を狙う戦略も必要です。
株式会社E社は、企業規模と技術に合致したマーケティング戦略と、ニッチ市場に特化した技術力・共存できる商品で、大手ソフトウエアと競争しない高い技術的参入障壁を持ちます。
現在iPhoneに使用される日本製の部品の割合は約一〇・二%。これはアメリカ製(33%)、韓国製(29・4%)に次ぐ割合です。かつて、iPhone4sの部品原価に占める日本製の部品の割合は三四%でトップの時期もありました。現在はシェアが低下しています。
E社の高付加価値製品のニッチ戦略
E社は量産効果の高いソフトウエア産業で、開発費は大きく、しかし製造費や輸送費はゼロを目指しています。あらゆる三次元データの相互変換技術で、高付加価値の幅広い隙間の業務を行っています。ミシガン大学、コーネル大学、スウェーデン王立工科大学といった高学歴の外国人人材や、日本でも優れた方々が付加価値をつけています。
E社のテーマは、「技術者の理想郷」をつくることです。日本の宝である人財の海外流出を食い止めるために、技術者に活躍の場を提供しているのです。新渡戸稲造先生の言葉を借りれば「人間は個人を超えた大きな利益を考える時、他人を羨む気持ちは少なくなる」のです。日本も総力戦です。
本記事は、月刊『理念と経営』2025年12月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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