企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

「顧客価値」の源泉は現場にある

誰もが素晴らしい能力を与えられています。「置かれた場所で咲きなさい」とは、渡辺和子先生の言葉です。能力発揮の場は、あなたが働いている今の職場です。株式会社冒険王の宮嵜真一さんはアルバイトとして入社し、置かれた場所で見事に咲いています。

置かれた場所で咲きなさい

 「置かれた場所で咲きなさい」という言葉は、ノートルダム清心学園理事長をされた渡辺和子先生の著書のタイトルです。
「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです。自らが咲く努力を忘れてはなりません。雨の日、風の日、どうしても咲けないときは根を下へ下へと伸ばしましょう」。実に含蓄のある言葉です。

 社長力で冒険王の創業者である堀岡洋行会長の体験を述べました。多くの試練を経て、現在の冒険王の基礎をつくられる過程では投げ出したい時もあったはずです。しかし、社長としての場所で努力し花を咲かせたのです。支えの一つは、働く社員さんを裏切りたくないという思いです。

 堀岡宏至現社長も、楽しいことばかりではなく、計画通りの成績が出せない時や、店を閉店する時などは、力不足を感じたはずです。また、副社長に昇進した濱岡潤さんは自分の「管理の仕方」のミスとして、自らを責める時もあるはずです。一人四役をこなすマルチタスク型の宮嵜さんも、楽しいことばかりではありません。でも、管理力とは与えられた体験を積み重ねながら、生きる知恵を獲得していく力なのです。

 冒険王の宮嵜さんは、アルバイトで入社された人です。入社動機は「販売している商品が好きだったから」。現場力とは「自分のお仕事を好きになる力」であり、好きだからこそ、商品の強みを知り、お客様の喜びに貢献できるのです。それが現場力です。

マルチタスクが求められる時代

 宮嵜さんは、①福岡店の店長、②九州エリアマネジャー、③人財育成プロジェクトリーダーに加え、④執行役員と、一人で四役ものポジションを担っています。それ相応の努力を積み上げた結果、自分の努力で獲得したものです。

 一人何役もこなす仕事の仕方を「マルチタスク」といいますが、これは自己成長のためにも役立ちます。複数の業務を同時進行することによって、複合的な仕事能力を体験し、当初は困惑することがあっても、いつの間にか複数の業務を抱えて、スムーズに進めることができ、考え方に幅が生まれるのです。その分、生産性も上がり、能力開発が進みます。

 ある小売大手企業は、取締役になっても年単位で現場店長を再体験する制度を設けています。トップマネジメントになっても、現場の仕事に戻してお客様のニーズが読み取れるようにしているのです。当然、店長業務をしながらトップマネジメントを兼務します。

 生産部門の担当者が営業をすることで、生産商品の価値を知り、コミュニケーション能力、マーケティング感覚、経営数値などに強くなります。

 商品知識のない営業では機能的な価値が伝わりません。コミュニケーションスキルは情緒的価値を生み出します。マーケティング感覚はお客様の問題解決の視点を広げ、「経済的価値」を生みます。経営数値を理解することでアドバイスができ、さまざまな価値を提供することができます。

本記事は、月刊『理念と経営』2025年9月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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