企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

問題は"宝の山"である

製造現場であろうと、営業の最前線に立っていようと、販売サービスを手がけようと、あなたはその部署のその場所では立派な経営者です。家庭においては家族を守る経営者なのです。あなたは自分の人生を他人事のように生きてはいませんか?

企業経営以上に難しい"人生の経営"

 人は誰もが経営者です。例えば、生まれて生を受けてから死を迎えるまでの時間を人生というなら、あなたは人生のトップ経営者です。人生という経営に目覚めたとき、人としてどう生きるか・何を遺したいのか、といった問いが必ずつきまといます。まさに、企業経営と同じ、いや、それ以上に難しいのが人生の経営です。

 いろいろな生き方があっていいでしょう。しかし、「多様化の時代」という言葉に流され、時間という最大の経営資源を無意に使い、あっちこっちと心がぶれながら、最後は思うようにいかず、晩年に悔いる人が多くおられます。自分の人生の、経営目的、目標、計画の、どこかに誤りがあったのです。現場力とは、「今」「ここ」「目の前」に、必死に立ち向かう姿勢のことです。




解釈次第で三六〇度、解決の糸口がある

 経営の神様と呼ばれるパナソニックHD創業者、松下幸之助翁は「人」を考え「どう生きるか」と問い、理想国家を願い、人類のことまで念いを深めて、最後は「宇宙根源の法則」にたどりつかれました。

 刹那的なものに片時も流されず、自らの任務や使命を全うされたからこそ、現在でも多くの方々に畏敬の念を持たれているのです。

 松下幸之助翁は、貧しく、体が弱いことに加え、小学校四年で途中退学し、父の借金返済のために和歌山から大阪に出ます。すでに幼いときから辛酸をなめてきたのです。

 しかし、丁稚時代から問題を〝宝の山〟と考える方でした。言ってみれば「ないないづくし」の環境だからこそ、自分で考えて創意工夫し、自分の力で問題を解決しなければならなかったのです。そして、やり続けていくうちに、問題があっても素直に事実を見つめる習慣を身につけたのです。

 奉公先の自転車店では失敗もありましたが、それらを他人事にしませんでした。お客様がお困りであれば自分のことのように捉え、その問題を解決するたびに強い喜びを見いだしたのです。

 狭い狭い一軒家を借りて起業しますが、何度となく困難を乗り越えながら、困りごとがあっても心までお困りになることはなかったのです。ものは考えようです。解釈次第で三六〇度、全方向に解決の糸口があるのです。

 現場力とは、目の前のことを決して他人事にしないで、絶えず自分のこととして受けとめる力です。自分事化するから真剣にもなるのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2024年6月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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