企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

迷ったときはやってみる

現場の力が中小企業を守ります。中小企業が成長・発展していくには、社長も幹部も現場も力を合わせて自らの組織を革新していく必要があります。元なでしこジャパンの澤穂希選手は「迷ったときはやってみる」のマインドで、チームを世界一に導きました。

経営にもスポーツにも国民の目は厳しい

 今回の三位一体論は、働かないニッポンをテーマに、「なでしこジャパン」の澤穂希選手の偉大性について述べています。例えば、会社組織はサッカーチームに例えることもできます。アメリカを敗って世界一になった二〇一一(平成23)年、当時の佐々木則夫監督を社長とすれば、コーチやリーダーである澤穂希選手は経営幹部に位置します。そして、現場の皆さんは試合の最前線で戦っているのです。

 カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の『指導力革命―リーダーシップからフォロワーシップへ』(プレジデント社)によれば、組織の成功は部下が八割を握っているそうです。そういう観点からすれば、現場の皆さんの働き方次第です。前向きに自らの能力を磨こうと思えば、現場の仕事を通して大いに学ぶことができます。あるいは、技術職としてスキルを高めようと思えば、いくらでもアップすることができます。高い地位を夢見て努力すれば継続次第で、必ずその夢は実現し昇進するでしょう。

 米ギャラップ社の調査で日本は仕事に対する熱意で世界一四五カ国中、最下位です。サッカーチームでいえば、一四五チーム参加のW杯に出場して最下位のチームとして、帰国後の記者会見では「なぜ、最下位なのですか?」と問われることになります。

 さらに他の記者からは「練習はしたのですか? どんな練習だったのでしょうか?」など、批判されるような会見になるでしょう。辛辣な記者からは、厳しく監督の責任を問うような発言が飛び出すことでしょう。経営にも仕事にもスポーツにも国民の目は厳しいのです。



自主トレだと思い傍を楽にしよう

 かつて「働く」、すなわち傍を楽にする行為や考え方は、われわれ日本の強みでした。しかし、最近はさまざまなデータや論調から、「働くことを惜しむ」「対価がないと損だと思う」風潮を感じます。会社は働きやすくなった、条件も良くなった、上司も優しくなって褒めてくれる、しかし、なんとなくこういう会社にいていいのだろうかと不安になり、離職する人も増えているようです。

 それに引き換え、スポーツの世界は競争が激しく、自主トレは当たり前です。ほとんどの選手がしのぎを削って戦い続けています。

 女子サッカーは、今でこそサッカーの練習そのものが仕事という選手もいますが、中には他の従業員さんと同じように仕事をし、仕事が終わり次第サッカーの練習場に駆けつけてボールを蹴っている選手もいるのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2024年5月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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