企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

人間どんなに有能でも 自分の壁を持っている

現場力は会社の大きな宝です。グローバルになっても現場を大事にしている企業が成功しています。㈱まなぶの現場力は、スーパーバイザー鈴木明美さんの教育理念を活かした人財育成から始まっています。

現場力のキーマン、鈴木さんの気づき

 ㈱まなぶは、人財育成をとても大切にしています。「13の德目」朝礼、『理念と経営』共に学ぶ会、全社ぐるみで学ぶ「グロースカレッジ」も初期から導入し、価値観教育に力を入れているのです。八木由美社長の使命でもあり信念でもある、学習する組織を目指してきました。

 結果として会社そのものの業績も伸びています。企業は社会的価値の追求であり、加えて経済的な価値の探求がないと組織の維持機能は停止します。ドラッカー博士はたとえ非営利組織でも、営利組織から経済的価値の意味合いを理解するように促しています。
 
 ㈱まなぶの事業は障害児支援で、社会的価値の高い会社ですが、健全経営を貫かねば真にビジョンの実現は叶えられません。一方、現場力のキーマンである鈴木明美さんは自立心の高い人です。ややもすると、人の指示よりも自らの意思で物事を判断します。依存心を好みません。

 いわば、研修に依存しなくても主体的に実行する人です。講座を主宰する日創研はそのことを十分認識しています。ただ、八木社長は、そういう鈴木さんの強みをさらに高めてもらいたいと願い、鈴木さんの可能性を見つめていました。

 鈴木さんは役目として研修に参加しますが、可能思考研修でいち早く気づきます。一つは「自分という壁」です。人間はどんなに有能でも「自分の壁」を持っています。ここから①自分一人ではなく皆でつくり上げる価値、チームワークの効果を知り、②「自分が源という姿勢で行動します」と宣言をして、より一層人財育成の大切さを悟り、現場力を強化していきました。

 マネジメントコーチングの学びも活かし、チームビルディングの重要性を社内に導入すべく「スーパーバイザー」に就任したのです。



理念実現のために現場が実践

 ㈱まなぶの経営理念は「子どもたちと未来を創る」です。虐待といった社会問題に真摯に向き合うために「虐待防止事例検討会」などを現場が率先して開催しているのです。現在ESG(環境・社会・企業統治)が企業経営に欠かせません。中古車販売の問題や、それらにからむ保険会社など、ガバナンス(企業統治)が機能していない部分がありますが、㈱まなぶでは社会性を重んじた企業文化により、「環境」「社会」に鋭い目を向けて「統治」しています。

 その一つが新しい福祉サービスへの挑戦です。とかく社会福祉となるとイノベーション(革新)が起こしにくい業界ですが、この会社はグロースカレッジの活用がうまく、採用や人財育成にも活かして、全員が動画を見て関係性を高めています。また、幹部は階層ごとの難易度が高い「ビジネスの本質」などで学び、視野を広げて、「福祉業界の有り方」を八木社長の考えや方針を鈴木さん率いる現場がきちんと遵守しているのです。

 また、「ジョブナビ」の番組を自主制作され、発達障害児の動作支援など、児童支援に惜しみなく投資をされています。より良いサービスを生み出すためにも経済的価値を追求しているので、収益率も良いのです。障害児や保護者にもプラスに働き、自社にもプラスになることを判断基準としていますから、アイデアも豊富です。


本記事は、月刊『理念と経営』2023年11月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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