企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

「向かう所敵なし」の人生が待っている

現場は企業成功の大きな担い手です。個々が自らの成長欲求と貢献欲求を満たしていけば、自分の仕事の意味が明確に実感でき、そうした努力が、五つの成功条件(情報収集力、発展的な思考の展開力、理念・目的に沿う力、好奇心、やり抜く力)を身につける一助になります。

藤井聡太七冠の自己鍛錬に学ぼう


 今年二一歳になる藤井聡太七冠は「やり抜く力」を発揮しました。天性の才能だけに頼るのではなく、自己を鍛錬し日夜努力して、心から憧れ尊敬していた羽生善治棋士ら強豪の先輩棋士を打ち破り、AI(人工知能)を最大活用して練習を積み、独自の発展的な思考の展開力(考える力)で藤井聡太棋士の世界を育て上げて記録を書き換えたのです。

 時間の多くを将棋に費やし、より強くなりたいという目的のために自己鍛錬をやり抜き、藤井聡太棋士独自の指し方を完成させました。やがてその努力が報われ最年少記録の七冠王という偉業を成し遂げたのです。

 もちろん、五つの成功条件を兼ね備えるのは大変なことです。こうして私は文字にしていますが「文字」にするのは簡単です。まだやり抜く力どころか、残り四つの条件も満足に身につけていません。

 しかし、現場の一人ひとりが夢を持ち、途中であきらめるのではなく、五つの成功条件を身につけたい、もっと自らのスキルや仕事のノウハウ、知識、能力の開発をしたいと思えば、人は思った通りの自分をつくり出していきます。五つの成功条件は現場力強化の上でもとても重要です。

 例えば、あなたが営業パーソンだったとします。営業パーソンにとって一番大事なことはお客様の「お困り事」に関心を持つことです。何が原因で困っておられるのか、自分に応援できることはないのか、お客様を熟知するためにはどういう能力開発をしたらいいか、お客様のお困り事の研究をすることです。その研究心が情報収集力や気づきになっていくのです。

 そうやってお困り事を解決するための情報を、どれだけ収集できるかは、あなた独自の大切なスキルとなり、あなたの強みになります

大谷翔平選手の明確な自己成長目標

 もちろん、人間には強みと弱みがあります。得意不得意もありますが、それらを自らの仕事に応じて明確にしたうえで、「どんな自分になりたいか」という目標を立てることも大事なのです。

 ①情報収集力、②発展的な思考の展開力、③理念・目的に沿う力、④好奇心、⑤やり抜く力の五つの成功条件は、社長や経営幹部がより発揮能力を高めるための目標設定のツールです。上司に言われて仕事を行うより、主体的に自己の成長目標を設定することのほうが楽しいのです。

 自分の強みをさらに伸ばしていきます。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で活躍した大谷翔平選手は、投打の二刀流で記録を打ち立てています。

 そのような活躍ができる理由は、明確な自己成長目標を持っているからです。だから、そのための努力を惜しみません。誰よりも自分を節制しています。他の選手と食事に行っても時間がくると帰宅して翌日の試合の準備をします。健康維持のために食事に気をつけ、サプリメントを上手に活用して、体力の強化を意識しているのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2023年7月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

成功事例集の事例が豊富に掲載
詳しく読みたい方はこちら

詳細・購読はこちら

SNSでシェアする

無料メールマガジン

メールアドレスを登録していただくと、
定期的にメルマガ『理念と経営News』を配信いたします。

お問い合わせ

購読に関するお問い合わせなど、
お気軽にご連絡ください。