企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
現場力
2022年8月号
「人間力×考える力」が仕事をベストにする

経営理念に基づき経営方針や計画があります。時間の重要性を知り、スケジュールに基づいて準備からゴールまでをいかに行動に移していくかが大事ですs。そこに必要なのが「WHY」です。目的、意味、意図を持ってトライしましょう。
問いが深いほど気づきが生まれる
社長力・管理力でも吉田松陰を取り上げてきました。彼は明治維新の際に多くの若者に影響を与えました。①志を持つことの大切さを説き、②そのためにも知識を磨き、③目標を実現するために必要な気力を養い、④徹底して行動すべきだと主張しているのです。現場力を高める上でも、この四つの事柄はとても大事なことです。
日本の初代総理大臣である伊藤博文も松陰の門下生であり、農民から身を起こして松陰の教えに触れて「志」を全うした一人です。「百年の時は一瞬にすぎない。君たちはどうかいたずらに時を過ごすことのないよう
に」という漢詩も、一四歳で松下村塾の門弟となり、明治期に日本大学の創設者となった山田顕義に贈ったものです。
現場力とは「いたずらに時を過ごさない」、つまり時間を意味あるものに使い、ムダな時間を最小限に抑える力です。会社には経営理念があります。理念の実現のために経営方針があり、具体的に実行に移して形にするのが、現場の皆さんの最優先課題です。そして、「知識を磨け」とは、「知識を実践に結びつけなさい」という意味です。
スマートフォンやパソコンで学べる「ジョブ・ナレ」と「ジョブ・ナビ」のシステム活用は、皆さんの「人間力・考える力・仕事力・感謝力」を養うものです。知識は自らに問い、業務の在り方を問うWH(なぜ行うのか、目的は何か)の役割を果たします。問いがあるから進化する。問いが深いほど気づきが生まれ、已むに已まれぬ実践となっていくのです。
WHYがお客様の悩みを解決する
志を高く持つことは、その人の人間力の源になります。人間力の弱い現場は、生産している製品や技術、サービスが単なる情性に終わってしまいます。WHYを駆使して高い付加価値を生み出すのが現場力です。ところが、WHYを考えない人は、考える力がどんどん劣り、創意工夫が生まれてきません。
これは、企業側にも責任があります。作業員のように人を動かし、考える力を奪っている場合があります。「学習する組織」になろうという「志」がなく、学ぶ機会をつくろうとしないからです。
また、現場側にも大きな問題があります。遊ぶ時間はあっても「勉強嫌い」という風土をつくり出し、知識社会の中で自らの人生にWHYをなくしているからです。管理力の「志」の喪失による弱体化は大いに反省す
べきです。三位一体論も今回が二〇〇回目です。原価高騰、粗利益の確保、人手の問題と、次々に問題が浮上していきます。人間力、考える力が企業の優劣を分ける時代です。松陰先生の「志・知識・気力・行動」の四つのキーワードは、まさに現在の企業経営の問題なのです。
本記事は、月刊『理念と経営』2022年8月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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