企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

人間は何か悔しさがないと、 闘志が湧かない

働くとは「ハタ(周り)を楽にする」という意味で、最高の社会軸の涵養です。逆は「ハタ迷惑」という意味です。自分軸・社会軸の確立が弱い人は、自由と気ままを履き違えて勝手気ままに振る舞い、お客様に迷惑をかけがちです。自己と職場と時代風潮の影響です。

自分を鍛えより社会に貢献する

 若いうちから「自分軸」を身につけておくことが大事です。今回はそのための方法や事例をお伝えします。自分軸とは、①未来を見据える視点、②自分なりの判断基準、③夢や希望を持ち、④自分らしさを探求します。条件思考より目的思考という意味です。
 「社会軸」は①人の役に立ちたい、⑦お客様に貢献したい、③職場仲間に尽くしたい、④自社の存在価値を高めたいなど、自分を超えた志を有することです。オリンピックで活躍した選手の多くは、自分だけの名声ではなく国を背負っていました。パラリンピックにしても、障がいを抱えながら長年訓練し、苦闘を乗り越えて活躍することで「多くの人を勇気づけたい」と発言する人が多いのです。
 四角形を描き、その真ん中に縦線と横線を引きます。縦軸が自分軸となり、横軸が社会軸となります。四つの枠で自分がどのポジションにいるかを見つめてください。自己洞察です。なるべく若いときから自分を鍛え、より社会に貢献できるよう努力することを願っています。

有事の時こそ企業経営が試される

 千葉県に「ピーターパン」というパン専門店があります。横手和彦会長が創業し、テレビ番組『カンブリア宮殿』でも紹介され、注目を集めています。ところが、お嬢さんの大橋珠生さんが社長に就任した早々、新型コロナ問題に直面します。最大の強みである焼きたてパンの販売ができません。一〇店舗から笑顔が徐々に消えていきます。特に駅ナカの四店は休業を余儀なくされます。
 しかし、常日頃の人財育成が功を奏して、次々に手を打ち元に戻しています。なにより、現社長のリーダーシップと、藤居正樹さんら経営幹部の活躍、鍛えられた現場力の発揮が、日増しに増えるお客様の困り事を解決しました。横手会長念願の、社長力・管理力・現場力の三位一体経営の勝利です。
 中でも入社三年目の二三歳で、駅ナカ店店長として投票で選ばれた小林雄次さんの活躍は、ピーターパンという会社を象数するものです。現場で鍛えられた分、信任された責任の重さを感じながら、過去最高の年間売上高四億九〇〇〇万円の記録までつくりました。しかし、彼の店も駅ナカにありま
すから休業せざるを得ません。大繁盛店から一気に売上高ゼロに転落です。精神的打撃です。
 へこたれなかったのは、①次々に打ち出される方針、②創業者の決断の速さ、③大橋社長の率先郵戦、④現場時代の上司藤居さんのおかげだったと述べています。若者はコロナ禍と戦うリーダーの背中から学んでいます。
 有事の時にこそ、企業経営が試されます。経営の根っこは実行・実践です。創業者・社長・幹部・現場が素早く意見交換し、実行策をいち早く決定して全社一丸となって具体的に行動できるかどうかです。一人でも経営への参画意識が欠けると「決まらない会議」の連続で、具体策も実行されないまま放置されます。
 箱根駅伝で有名な青山学院大学の原普監督は、「人間というのは不思議な生き物で、何でも与えられていると意欲が失せてしまう。やはり、何か悔しさがないと、闘志が湧いてこないのだ」と述べています。スポーツも仕事も、内発的な動機付けが弱く、外発的な側面で動機付けられた人は、困難に脆いのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2022年6月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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