企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

未来の子どもたちのために、 自己成長しませんか?

一人当たりの粗利益を七〇〇万円にしたい。理想は九〇〇万円にしたい。そうでなければ努力する現場の人たちの賃金を、思うように上げられません。日本の中小企業は一人当たり今五三四万円で、それに呼応するように失われた三〇年間、賃金は上がっていないのです。

大事なのは「前向き、外向き、上向き」

 富士フイルム元CEOの古森重隆氏は、著書『魂の経営』(東洋経済新報社)の中で、今の日本は、「後ろ向き」「内向き」「下向き」になって「自信を失っている」と述べています。
 これは海外から来日する方々に共通する印象で、「今の日本は自らの強みを捨てている」と言われます。「かつて日本人は勤勉だった。公共心が強かった。努力をし、研究熱心で形にする力があった」と。多分、欧米諸国はそういう日本が怖かったのです。
 私がお世話になったスタンフォード大学のジェリー・ポラス元教授は、一九八七年の著書で、「日本は立派だ。おそらくーT分野でも日本勢が力を持ってくる。しかし、アメリカの経営者は日本から学ぼうという姿勢がある」という趣旨の文章を書いています。
 "失われた三〇年"をわれわれは取り戻すべきです。現場の皆さんも未来の子どもたちのために、さらに自己成長しませんか?自分の能力を磨き鍛錬しましょう。現場力とは自分の持つ潜在能力を顕在化させることです。日本の一人当たりの生産性が伸び悩んでいるのは、皆さんだけの責任ではありません。
 皆さんにはイメージできないと思いますが、戦後生まれの私でも、大胆な構造改革で富士フイルムを!字回復させた、古森重隆氏の問題意識・危機意識に感動します。
す。
 「一九四五年の敗戦については、私自身が記憶している。あたり一面みな明日の食事にさえ苦労するほどの貧乏になった。でも誰も意気消沈はしていなかった。私たち家族四人もリュックひとつで満州から日本に帰ってきたが、そこで見たものは、『これからこの国を復興するんだ』という人々の間に溢れていた活力だった」と、述べています。その肝心の活力が失われているのです。
※出典:古森重隆著『君は、どう生きるのか』三笠書房

他社にまねできない競争優位づくり

 株式会社ミヤザキは、半導体関連や医療機器などさまざまな分野の高度な技術を要する、樹脂精密加工メーカーです。直近の売り上げは三一億円、経常利益は一五億円です。そこから特別賞与が百七十数名に対し総額約二億円配分されます。これはときたまではありません。幹部二〇〇万円、社員さん一〇〇万円という賞与額は、以前からの好調期の一つの目安です。
 なぜ、同社の業績がいいのか。それは現場力が高いからです。思考の質の高さや、自己認知・気づきの能力は、レディネス(学ぶための心身の準備)が茅生えた後から学習するものではありません。
 レディネスを生み出し促進するために、学ぶべきものを学ぶのです。学びには「基礎・基本・応用」の三つの段階があります。一つは「基礎」で、人間力と呼んでいます。誠実さ、前向きさ、人への思いやり、向上心、貢献意欲など多岐にわたります。
 二つ目は「基本」です。基礎(人間力)を先に鍛え、加えて基本を身につけてこそ、レディネスを高めることができます。①自己認知力・自己への気づき、②深い思索する力、③考え抜く力、④わからないものを探求し続けるカ―ーこれらを磨いてこそ、仕事の基礎力や基本力を身につけることができます。「応用」ばかりでは、感謝力もレディネスも育めません。株式会社ミヤザキの山之上道麗社長は現場力をとても大事にします。"愛社員精神"を持っているのです。それに対して現場も「他社にまねができないような競争優位づくり」に努力しています。

本記事は、月刊『理念と経営』2022年5月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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