企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

理想の会社にするために あなたが「主役」になるべきです

あなたがもし、少年時代に戻れるとしたら、どういう自分になりたいですか。渋沢栄一翁が一四歳のとき、アメリカから四隻の軍艦がやってきて日本は大混乱しましたが、渋沢栄一少年は「国に役立つ人間になろう」と決意しました。

いかに生きるかを学び考える

  人間にとって何歳になっても学ぶことは必要です。学習の「学ぶ」は知識を得ることです。「習う」は実践することです。イギリスの著述家であるサミュエル・スマイルズの『自助論』は、江戸の幕末の頃に、幕府から留学を命ぜられた儒家の中村正直が帰国の際に持ち帰ったもので、『西国立志編』として翻訳されます。
NHKの大河ドラマ『青天を衝け』の主人公である渋沢栄一翁も、フランスのパリ万博随行でヨーロッパを回っていました。近代国家の資本主義という経済の仕組みや、銀行という組織体を学び、日本国家の進歩にどう役立てるか、帰国した先を見据えて学んでいたのです。現場力とは「学習する力」のことです。
長い間、武士社会が続いたため、日本には、経済の基盤ともなるべき商工業は卑しい職業であるという認識が強く、明治になってからも官は尊くて民の行うことを蔑む風潮がありました。これに渋沢栄一翁は強く反発していました。
皆さんも仕事をする中で、世事に敏い方は、未だ「官尊民卑」を感じていると思います。「エッセンシャルワーカー」といわれる、社会を支える大切な基盤活動をする人が私遇を背負い、裁判などで有罪判決を受けた某議員などはその間も高い歳費を取っていました。
どういう時代にも矛盾はありますが、渋沢栄一翁は一八七四(明治7)年に養育事業にも関わり、以降六〇年弱にわたって困っている人たちのために尽力しました。福祉や教育などの慈善・社会事業は六〇〇に及び、商工業の発展に尽力して次々にたくさんの会社をつくったのです。

『論語』を実践することの大切さ

  渋沢栄一翁といえば、その著書『論語と算盤』が有名です。『論語』というと難しい学問のように思われるでしょうが、決してそうではありません。人間として立派にな
るにはどういうルール(道)を守らなければならないか、皆が幸福に過ごす社会をつくるには、自らをどのように修めなければいけないのか、といった問題意識を持った門弟たちが、孔子と対話する書物です。
人としての生き方を問うものであり、世の中が経済だけに偏らないように、道徳の重要性を説いたものです。「道」は人としてのルールです。「徳」とは人間としての道の実行を意味します。現場力とはそうした基礎・基本を修得し、技術や技能を身につけて、両面を学ぶ力のことです。
法律だけに頼るのではなく、一人ひとりが正しいルールや秩序を身につけていけば、世の中は平和になっていくと、孔子は考えました。会社には規則があると思いますが、「人間力」を身につけていれば規則など要りません。お互いの信頼関係ができさえしていれば、また、仁(思いやり)や義(正しさ)、礼(約束事・ルール・マナー)、智(智恵や創造性)、信(まこと)さえ身につけて、具体的にあらゆる場面で実践していけば、世の中は必ずうまくいくようになると考えたのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2021年5月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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