企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

われわれは今、リングに上がる準備をしている

現場は、実践的にお客様の声を聞く重要な位置にあります。新型コロナウィルスの問題は残りますが、できないことを悩むのではなく、今の自社や職場、お客様の抱える問題に目を向けてください。問題は宝の山なのです。

問題から逃げる人間に
なってはいけない

  二〇二〇(令和2)年七月号で、「会社は何のために人を採用するのですか」という疑問を投げかけました。たくさんの方々から感想をいただきました。多くが「シンプルなことを忘れていました」という感想です。企業はボランティア団体ではありません。社会貢献を通して共通価値をつくりあげ、その上で適正利益を得なければ存在できず、日々試練に晒されています。企業は、お客様や自社が抱える問題を解決し、課題達成のためにあなたを必要としているのです。
ですから、社長も幹部も現場も同じ立場です。特に上位者の責任は重大であり、より大きな問題を解決してビジョンを達成するために、人財の育成が必要になるのです。一人ひとりが目標実現能力を身につけ、達成体験を得たときの喜びや充実感を自らがつくり出していく必要があります。試練を超えてこそ、周囲からの信頼を得て、貢献した充実感や人からの承認を得ることができます。結果的に存在価値を発揮でき、真の喜びを得ていくのです。
現場力とは、①問題が起きたときに前向きに考える力のことです。②すぐに行動に移して解決のためにチャレンジしていく力であり、③仕事への取り組み姿勢です。さらに④自社を価値の高い企業にして、⑤お客様に「あの会社に頼めば何とか解決してくれる」と、⑥信用や信頼を得る力のことを現場力と言うのです。消費者の評判を高めるのも現場の方々の力によるのです。
ある有名な講師をお呼びしたとく、「日本の現場力は世界一だが、ホワイトカラーは二流に近い」と、手厳しいお話をされていました。私も経営戦略を立案したり、経営計画を立てたリするホワイトカラーですが、実行する現場によって守られているのです。日本の現場力は質が高く、誇りを持って仕事をしていただきたいものです。

頭で考え、心で共感し
腹に落として行動する

  私の会社では、問題解決能力を高める目的で、社員さん一人ひとりに「出社前に一五分、今日一日の業務計画を考えてくるように」と伝えています。効果を聞いてみると、幸福度は増し、生産性も高まり、痴弊感も薄らぐようです。『13の德目』を使った朝礼は当初一五分でしたが、二〇分、二五分、三〇分と時間をかけ、丁寧に行うたびに、問題が明確になり、その問題から逃げ出さなくなりました。現在は四五分にしていますが、必ず今日一日で、自分のやり遂げるべきものは何かを宣言し合う形にしています。
もちろん、問題は山積みです。ただ、解決したときの喜びは格別ですが、苦しむ姿は自分の無力感として跳ね返ってきます。私も悩みながら講義をしていますが、あくまでも自社の問題と正面から向き合う経営実務者でありたいと思っています。
また、講師になりたいという多くの社員がいますが、自らが問題に直面し、自らが解決した実体験のない人を講師にすることはありません。頭で理解しただけで、実践したことのない人にリアリティーはないからです。①頭で考える。②心で共感する。③腹に落として、④行動する。この四拍子が重要なのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2021年1号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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