企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

仕事力は本気で考えないと身につきません

野村克也監督はデータ重視の「ID野球」で素晴らしい実績を残しました。集めたデータを素早く統合させ、配球のサインを送って打ちとります。その結果、自らも三冠王・名監督になるのです。社長もこれに倣い、一点集中で己を鍛え、部下を育てるべきです。

強い劣等感とその真逆の誇り

 10年前、楽天でうまくいかない「マー君」こと田中将大党首と、当時22歳の嶋基宏監督は、連敗続きのときにこうぼやいています。「残り少ない人生を、こうやって命縮めている。最悪やけどもすべて私の至らなさですな・・」。自分に対してのぼやきです。会社なら、あなたの上司か社長です。
 楽天の監督就任の際、野村監督は自分に誓ったそうです。「初年度は畑を耕す。二年目は種を植える。三年目は花を咲かせる」と。ところがなかなか思うようにいかないので、「最悪やけどもすべて私の至らなさですな・・・」と、寂しそうにつぶやいているのです。現場の方々も孤独を感じることがあるでしょうが、人一倍孤独だったと思います。
 野村監督は戦争で父を亡くしました。母が一人で必死に働き、二人の子どもを育てました。野村監督は、巨人の黄金時代の長嶋茂雄や王貞治と自分を比較して、強い劣等感と、その真逆の誇りがあったと思います。NHKの追悼番組で放送された、野村監督の20年程前の密着資材をビデオに録り、何度も見ながら分析しましたが、少なくとも幼い頃から新聞配達をした後に学校に通い、片親だという肩身の狭い思いもあったと思います。
 番組では「花の中にはヒマワリもあれば、人目につかないところでひっそりと咲く月見草というものもある」という言葉が、何度も何度も繰り返されます。そして、「王や長嶋はヒマワリ、俺は月見草。俺はそれでいいと思っている。人気のないリーグで試合する俺と、華々しい場所で野球をやる王、長嶋。しかし、そういう存在があったからこそ、俺はここまでやれた」

野村監督が恩義を大事にする理由

 実績では決して劣るわけではありません。最初から一人前に扱ってもらえないテスト生です。いつ首を切られるかわからない。しかし、現場力とは這い上がるような知識を人一倍学んで身につけ、それを駆使して有能な人たちを凌ぐ実力を身に付けたのです。
 実際、南海のテスト生募集の新聞配達を見て、高校の野球部の先生に相談して、旅費を出してもらってつかんだ自分の道だったのです。
 野村監督が恩義を大事にするのは、こうした体験があるからなのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2020年6月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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