企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

人生に使命とロマンを持てば仕事が楽しくなってくる

「働き方改革」の再考を促す声が広がっています。副作用や諸問題が起きているからです。自己研鑽する人も少なく、若年層に、十分な教育訓練を受ける機会がないことを懸念する人も多くいます。あなたは余暇の豊富さと、自己成長のどちらを選びますか。

黒田教授の警告に耳を傾けよう

 十六歳のグレタ・トゥーンベリさんが、国連の気候行動サミットで世界の政治家に厳しい注文をつけました。口調も激しく、表情も非常に険しいものです。政治家に向けて「あなたたちが話すことは、お金のことや永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よくそんなことが言えたものだ」と、まるで挑むがごとき発言です。
 香港でも二二歳の女性がリーダーとなって、厳しいデモを先導しています。未来の自分たちの人生に強い危機感を持ち、「このままでいいのか」という大きな問題意識から行動を起こしているのです。
 それに比べ日本は平和で、何ら問題もないように見えますが、潜在的に現場は未来に不安を抱いています。われわれも声を上げなければ、日本の未来は暗澹たるものになってしまう恐れがあります。
 特に懸念されるのは、日本に産業構造がグローバル社会の中で破壊されてきていることです。AI、IOT、ビッグデータなどにより、ビジネスの基軸が変わり、従来の“日本モデル”そのものが陳腐化傾向にあります。それに対する政治や経済界からの具体的な提案はなく、シリコンバレーで講義を聞き、企業視察をしていると、いかに変化への対応が遅れているかを痛感します。
 人材育成が不可欠な時代にあって、職場内教育などに大きな影響があるようです。こうした事態に、早稲田大学教授で労働経済学専門の黒田祥子先生は、『ウェッジ』(2019年10月号)で「余裕なない企業で働く労働者には十分な教育機会が与えられず、若年層の間で人的資本の格差が拡大していく可能性が懸念される」と、警告しています。

モチベーションの強さが人生を決定する

 人生を決めるのは自分自身のモチベーションです。情報化、知識化、知恵化の時代に、時間に縛られて働くなど、自主性も自立性も捨てたようなものです。自分のために働き、前向きに勉強することが大切です。自分の城は自分で守ることが大事で、自分の成長がお客様や、両親、ひいては社会の役に立つのです。結果的に「あそこの会社の社員さんは熱心だ。よく勉強しているし、親切な人が多い」と、あなたの会社は高い評価を受けて発展するのです。
 七四歳の私が言うのも愚かかもしれませんが、いつの時代にも人生を決めるのは自分自身であり、自分の能力を高めなければ、これからの時代に、自分の未来を切り開いていくことは無理でしょう。企業側にも責任はありますが、現場力とは、自分で自分の能力の可能性を開発する力のことです。依存していては真の現場力になり得ません。能動的な人材になることです。また、真の現場力とは、考える力を深く広く養う力であり、創造性、アイデアを自らが引き出して提案する力のことです。
 それが柔軟にできるのが、中小企業の強みです。現場に人は自分の能力次第で、将来は今の会社の幹部にも社長にもなれるのです。人手不足という環境で、実力の数倍の評価をされた人たちの顛末は、すでにバブル崩壊で検証されています。多くは窓際族となり、自己効力感の喪失を体験して、自らの人生を絶望的にしています。
 「歴史は繰り返す」と言いますが、人手が売り手市場だったバブル当時、内定した学生をハワイ旅行で接待したという企業群は、崩壊とともに働き手を簡単にリストラしました。リストラされた者は甘えや依存心から実力を養っておらず、その後の人生を台無しにしたのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2020年1月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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