企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

一芸人の「稽古不足」を舞台の幕は待ってくれない

「明徳を明らかにする」とは、自己を成長させるという意味です。人間は自分の存在価値をわずかしか発揮できていません。明徳を明らかにしようとしないからです。目標を持ち、若いうちから人間的魅力を身につけましょう。

指導者の明徳・不徳が国の運命を変える

劇場で舞台の幕は時間通りに開きます。一人の芸人の稽古不足はそこで顕わになるのです。舞台を職場と考えてください。弛まぬ努力をして稽古をした芸人なら、人間的魅力を生み出し、一時的な人気だけにとどまらず、おそらく芸能生活も永遠に続くでしょう。

逆に、稽古不足で舞台に上がる癖を持った芸人は、一時的に名前が売れても芸人寿命は短いものです。企業経営も同じです。「有名無力」という言葉があります。名前が実力より先に立って時間の経過とともに無力になるのです。そこには、輝く人間的魅力はありません。

国家も同じです。栄えるときや盛んなときには、王たるものの人間的魅力が燦然としてあり、その威光は全国の民にまで及んでいます。王たる者が稚拙な人間であれば、失速的な規則をつくり、時間と共にその規則の欠陥が露呈しています。

戦後の経済復興の大きな要因として、吉田茂元総理の人間的魅力は他を圧倒しています。戦後政治の歴史に残る政治理念と明確なビジョンと、国民を鼓舞する姿は永遠のものです。安保法案で苦しまれた岸信介元総理も然りです。時に指導者の明徳か不徳かは国の運命を変えます。

少し、飛躍した事例になりましたが、日本の青年たちの「このままでいい」という向上心の低さは、青年の問題ではなく、国家的な教育政策と家庭教育に問題があるからです。決して若者や現場だけに問題があるのではなく、われわれ経営者や両親の側にも稽古不足があるような気がします。全員がビジネスパートナーであり、社長も幹部も現場の皆さんも、まずは明徳を明らかにすべきです。

一時的な、一過性の偏った報道や政策に惑わされるのではなく、長期的視野に立った思索を深め、具体的に実践してください。まずは、若いときにこそ身につく、人間的な魅力の研究をすべきです。

私が代表を務める日創研は、アメリカのシリコンバレーにオフィスを設けていて、AIを研究されている井坂暁博士にアドバイザーをお願いしています。

AIについての質問に対して「AIを肯定的にとらえて、どう最大活用するかを考えた方が良いでしょう。その際に言えることは、これからAIに指示されて作業する人と、AIを活かして、本来、人間にしかできないことに集中する人に分かれてきます」と述べられています。

本記事は、月刊『理念と経営』2019年6月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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