企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

「生産性」と「人の定着」と「働く喜び」は一つのものである

現場力とは、上司に与えられた単なる作業をするだけではありません。作業に工夫を加えるのは、働く人たちの任務です。管理力でお伝えしたDoからWorkにしていけばストレスは生まれません。仕事を楽しむPlayにまで高めるためにも、創意工夫がいるのです。

受け身で行う仕事からは「働く喜び」は生まれてこない

私の著作に『仕事で磨く人間力』『仕事で磨く感謝力』があります。昨年はよく過労死の問題が報道されましたが、現場力とは「愉快に働く仕事力」を身に付ける能力のことです。愉快に働けば過労死などあり得ません。どんなに働く時間を短くしても、仕事を苦痛に感じる人にとっては職場は地獄です。

いかに自分の仕事を愉快にするかは、企業側にも責任があります。しかし、いくら企業側が働き方改革をして長時間労働をやめたとしても、愉快にするかしないかは、働く方々本人に大きな責任があるのです。受け身で指示されたことをやればいいという、消極的・依存的な仕事の仕方では、「働く喜び」は決して生まれてきません。

世の中には愉快な仕事とそうでない仕事の二種類があるのではありません。働く人たちの①前向きさ、②創意工夫、③改善する喜び、④お客様の笑顔づくりに貢献したいなど、まさに働く人たちの心の持ち方や、その人の考え方や解釈能力によるところが大きいのです。自分のパーソナリティーや自己革新能力、仕事への関心度合いを、こうした機会に点検してみるのも良いでしょう。

もちろん、社長や経営幹部の怠慢もあります。①働く人たちのモチベーションが上がらない、②後ろ向きな社風、③上司が尊敬できない、④成長したいのに機会がない、という原因があれば、経営陣は早急に経営革新していかなければなりません。

しかし、社長力のところで述べましたが、スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック先生の「マインドセット(心のありよう)」が、大きく影響を与えていることを理解しなければなりません。

私も30数年この問題に取り組んできましたが、停滞型のマインドセットでは、何ごとも愉快に捉えることができません。すべては他人の責任ではなく、被害者的発想が仕事を苦痛にしているのです。

成長型マインドセットの会社づくりを早急に目指せ

日本企業で平均年収が一番高かったのが、1861万円(平均年齢36.1歳)の㈱キーエンスという企業です。生涯賃金は7億5631円を超えるので、働く人たちは安心して働くことができます。

本記事は、月刊『理念と経営』2018年3月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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