企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

革新的な提案を出して、社長や幹部と自社ビジョンを語ろう

少子高齢化や財政の問題などで、自社の将来性に不安の方々もいるでしょう。しかし、貧困の中からハーバード大学を卒業して東京大学の政治学部の教授となり、立派に夢をかなえた現・熊本県の蒲島郁夫知事の生き方に学びましょう。

経営感覚が希薄な現場がどのような問題を起こすか

㈱神戸製鋼所のデータ改ざん問題で、日本のものづくりは大きな信用を失いました。報道によると、40年近くも現場が無断で行っていたのです。神戸製鋼所は、城山三郎先生の『鼠』という小説でも有名な鈴木商店傘下で、1905(明治38)年に創業した企業です。「鉄は国家なり」といわれた時代には、日本の基幹産業として活躍した由緒ある会社です。

倫理綱領の1つに「社員の人格・個性・多様性を尊重し、ゆとりある豊かな職場環境を実現する」とあり、解説文には「社員一人一人が持つ多様性を尊重し、また、その主体性と創造力を大切にし、それらが企業活動に活かされる企業風土を醸成する」と書かれています。

つまり、こうした現場力を尊重した会社にもかかわらず、非常に深刻な状況を招いたわけです。もちろん、神戸製鋼所は過去にも不祥事を起こしており、経営陣が現場に目を向ける余裕がなかったともいえます。99(平成11)年には総会屋への利益供与問題、2008(同20)年には子会社で鋼材の強度試験データ捏造、16(同28)年には、グループ会社でステンレス製品の検査データ改ざんが判明しています。

これから厳しい経営環境が予測されるなか、社長力・管理力・現場力の三位一体経営どころか、まるでおのおのがバラバラに経営していたことになります。

現場力とは、単に作業をすることではありません。神戸製鋼所の現場の方々にもっと経営感覚があれば、当然こうしたことに違和感を覚え、これはおかしいと感じるはずです。誰もが当たり前になっていたとはいえ、経営感覚が希薄な現場がどのような問題を起こすかを真摯に学ぶべき時です。

協力会社は多大な迷惑を受け〝悲鳴〞をあげている

日本の製造現場は世界の模範でした。「カイゼン」は世界共通の言葉にまでなっており、われわれの誇りでした。日本は世界に冠たるものづくり国家という自負を、国民全員が持っていたのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2018年1月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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