企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

いつの時代でも「実力」が問われる試練が待ち受けている

入社された新入社員を、ぜひ温かく迎えて先輩社員として導いてください。若者たちの意識は大きく変化していますが、生き方の基本や人間関係の基本を丁寧に教え諭していくのです。愛情深い指導が道を開きます。

全員が寄ってたかって新人の面倒を見ます

新入社員が入社されたことと思います。自分が不安だった入社時代のことを思い出し、まず、励ますことから始めてください。愛知県に水谷工業㈱という会社がありますが、京極盛社長は、「わが社では、入社したての新人は、全員が寄ってたかって面倒を見ます」と述べています。


マナーやあいさつなど、社会人としての基本は厳しく指導されます。入社時が肝要であり、丁寧に教え、優しく育むのです。一番悪いのは、時代認識の欠如です。

昔は長く会社に残ってでも、早く仕事を覚えて自分の能力開発に勤しんだものですが、管理力でも紹介した2017年度の新入社員の意識調査を見ると、そういう気持ちの人たちは、わずか17.5㌫しかいません。残りの74㌫は、「残業が少なく、平日でも自分の時間が持て、趣味などに時間が使える職場」を求めているのです。

これは新入社員に問題があるのではなく、日本全体が「働くことは良くないことだ」というイメージを、マスコミや「働き方改革」を進める政策によって刷り込まれているのです。

生産性を上げなければいけないことは承知の上で、一番ボトムの現場を預かる立場からは、政策が性急過ぎて、人手不足や時間制限で残業で稼げなくなったという声も多くお聞きします。

経済産業省の官僚の中には「生産性の悪い会社はつぶす!」というニュアンスの言葉を発する人もいます。誰のお陰で官僚も政治家も飯を食えるのだと、私に憤りをぶつけてくる人もいます。

楽の次には間違いなく苦が待っている

一番の犠牲者は、向上心を失っている人たちです。誰もが自分の時間を持ち、趣味などに時間を使える職場が良いに決まっています。しかし、こういう価値観を刷り込まれた若者たちは哀れです。好都合ばかりの人生はなく、そうした環境はどこの会社にもありません。

入社当初は通用しても、やがて実力を身に付けることができず、競争社会やAIなどのテクノロジーにとって代わられ、職を失うことになり、納税どころか社会保証のお世話になるのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2018年5月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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