企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
社長力
2026年3月号
二宮尊徳翁の事を成すための四条件

誰もがビジョンを持ちます。一番尊敬する二宮尊徳翁は、ビジョン達成には「才・力・徳・位」の四要素が必要であると述べました。「道徳と経済」を唱えて偏らない考え方で民を導き、偉業を成し遂げました。
「道徳」と「経済」の両面を持つ力
社長力とは大きく分けると、渋沢栄一翁の言われる「論語と算盤」であり、二宮尊徳翁の「道徳と経済」です。本誌の創刊時、タイトルを『理念と経営』にしたのは、そうした背景がありました。
松下幸之助翁は何事を成すにも「錦の御旗が要る」と考えておられました。つまり、企業経営には誰もが「なるほど」と共鳴・共感する理念が不可欠であるということです。もちろん、三位一体の根底に理念の共有が欠かせないことは言うまでもありません。
社長力とは、理念を掲げ三位一体経営にまとめ上げる力のことです。二宮尊徳翁は、幼少年期に不幸な体験をしながらも努力し、学問と実践を通して人物を修め、貧乏から抜け出して全国六〇〇以上の疲弊した村々を報徳仕法で再生した江戸時代の偉人です。
なぜ、豊かに実った田畑が荒田になり収穫が少ないのか。二宮尊徳翁は原因究明をしました。結論は田畑が荒れているのではなく、「農民の心が荒れている」ことに原因があると喝破します。そこで、「心田の開発」を打ち出し、先に心の荒廃を健全化する対策をとります。
社長力とは、①働く人の「心田の開発」です。②幹部も社員さんも一人ひとりが自らの天分に気づき、③自らの才能を発揮すべく一人ひとりの人間力を顕在化させていく力のことです。二宮尊徳翁の言行録である『二宮翁夜話』の一節に、事を成すための四条件が書かれています。社長力とはこの四条件を満たす努力です。
道の行わるるや難し、道の行われざるや久し
二宮尊徳翁は崇高な志を持ちながら、各藩の空理空論を嫌います。具体策を打ち出すと反対され、邪魔されます。過日、千葉県成田市にある成田山新勝寺に参りました。二宮尊徳翁が二一日間断食した場所です。志のない人はあまり苦悩しません。中小企業経営も然りです。志が低い人は何ら問題意識もなく、解決どころか「現状維持」だけに自己満足しがちです。
真の社長力とは、何事も実践して形にしてみせる力のことです。実践が伴ってこそ人は認めてくれます。理屈で経営はできません。二宮尊徳翁は四条件について、次のように述べています。
「道の行わるるや難し、道の行われざるや久し、
その才ありといえども、其の力なき時は行われず、
その才その力ありといえども、その徳なければ、又行われず、
その徳ありといえども、その位なき時は又行われず」
尊徳翁は、「道を行うというのは実に難しいことだ。道が行われなくなった。久しく道を行った話題を耳にしなくなった」と嘆いています。社長には「指導者の一念」が不可欠なのです。
道とは、「人の道」「正しい生き方」「物事の道理」です。二宮尊徳翁は実に「道に外れたことが多くなった」と嘆いていますが、同時に、どうすれば人の道に沿った正しいことが行われるのかをわれわれに教えています。これは中小企業経営者の共通の苦悩であり、現代社会にも通用することです。
本記事は、月刊『理念と経営』2026年3月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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