企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
社長力
2026年2月号
厳しい時代だからこそ「温故知新」が大事です

二宮尊徳翁は「道徳と経済」と言い、渋沢栄一翁は「論語と算盤」と述べました。松下幸之助翁は経営理念を柱にしてあらゆる困難を解決しています。「読み・書き・算盤」の原点に戻り、理念と戦略の強化を急ぐべき時です。
「読み・書き・算盤」は意味・価値を感じる力
読む力とは、時代の空気を読み、肌感覚で状況を捉え、タイミングなど見えないものを読み取る力のことです。企業経営でいえば過去の歴史を読み取り、一つのパターンを肌で感じとる力です。
いつの時代にも「温故知新」が大切です。この四字熟語の意味は、「古の知識や教えや歴史を熟慮し掘り下げていくと、必ず経営の本質に目覚め、経営革新のヒントが生まれて、新しい発見や可能性に気づくことができる」ということです。
出典は『論語』です。「子曰く、故きを溫ねて新しきを知る、以て師と爲るべし(爲政第二)」から来ています。伊與田覺先生は『仮名論語』で、「先師が言われた。『古いことを尋ねてそこから新しいことを知る者は、人の指導者になることができる』」と訳されています。
社長力とはまさに、古きを温ねて、新しいことを知る力のことです。イギリスのチャーチル元首相は、読み取る力・対処する力の強い人でした。「過去をより遠くまで振り返ることができれば、未来もそれだけ遠くまで見渡せる」という有名な言葉は、まさに温故知新と同じ意味です。
厳しい時代が続くなか、中小企業経営には、より一層社長の力量発揮が求められます。だからこそ、温故知新が大事なのです。
ピーター・ドラッカー博士は、リーダーに何よりも「integrity」を強く求めています。integrityを「真摯さ」と訳された上田惇生先生は次のように述べています。
「ドラッカーは『学ぶことのできない資質、習得することができず、もともと持っていなければならない資質がある。他から得ることができず、どうしても自ら身につけていなければならない資質がある。それは才能ではなく、真摯さである』と言った」
経営理念(内なる志)の基本に戻る
経営は、いくつかのコンセプト(概念)の塊だと思います。事業観、人間観、人生観、製品やサービス、資金、情報、時間などのコンセプトの統合が不可欠であり、いくつかの多岐にわたるものを一つにする力が「経営理念」です。企業経営の上位概念にくるものです。松下幸之助翁は「困難や逆境にある時には経営理念に祈れ」とおっしゃったそうです。
私が、「松下幸之助翁はやっぱり経営の神様だ」と思うのは、いくつものコンセプトを統合する力を「内なる志」と位置づけているからです。その「内なる志」で外部環境を読み取り、未来はどうあるべきかを描き出していけば、おのずから問題解決策が出てきます。理由は、経営の成功条件とは、「内なる志」と「社会からの要請」の二つに絞られているからです。
経営理念には、第一に顧客の視点が欠かせません。内なる志があっても、顧客が求め社会の要請に応えるものでなければ、それは絵に描いた餅であり、単なる荒唐無稽な理想主義に終わるのです。
第二の視点は経営の視点です。自社内に、顧客の要望に応えるだけの製品、技術、サービス、人の知恵が要るのです。当然、資金も必要であり、渋沢栄一翁のいわれる「論語と算盤」、二宮尊徳翁の「道徳と経済」の両輪が必要です。ビジネスは経営(戦略)的な視点も不可欠なのです。
本記事は、月刊『理念と経営』2026年2月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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