企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
社長力
2024年9月号
「五常」を発揮すれば、人間力は高まる
組織では人間力が問われます。一つは自ら才能を磨くという「自己成長欲求」を持ち続ける力であり、もう一つは、〝人間社会はお互いの貢献抜きでは保てない〟という「志」を持って実行する力です。人間にはおのずから「貢献欲求」があります。
自己成長欲求と貢献欲求
人間は誰もが、気づかない多くの能力を持っています。しかし、それが表に現れるには、それらを磨く「自己成長欲求」を活かさなければなりません。その上で仕事を通して磨かなければ、人間力は生まれてきません。
加えて、「人の役に立ちたい」「社会のために自分の能力を活用したい」といった、人間の本能としての貢献欲求を実践によって裏付けることが大切です。
大リーグの大谷翔平選手や、将棋の藤井聡太永世や、〝経営の神様〟といわれる松下幸之助翁は、「自己成長欲求」と「貢献欲求」を発揮し続け、結果的に類い稀なる人間力を習慣化されています。
とくに、素直さや誠実さは人間力を培う上で最も重要なことです。松下幸之助翁は素直さの重要性を説き、ご自分も素直さの〝初段〟をとれるように努力されています。つまり、われわれには、やり抜く力や意志の力が備わっており、それらがリーダーシップにも関連しているのです。この点は管理力、現場力でお伝えします。
社長、経営幹部、社員さん、パートさん、いずれの立場にあっても、素直な人は成長も速く、誠実です。その仕事の仕方がお客様に喜ばれ、職場内でも信頼を得るのです。
信頼される社長・幹部・社員さんがいる会社は、お客様や地域社会から、「あの会社の人たちは素直で誠実だ。信頼できる」と、高い信用・信頼を得ることができます。
「五常(仁義礼知信)」を実践する力
根底にある自己成長欲求や貢献意欲を引き出して、一つの価値観にまで高めると、〝世界の四大聖人〟の一人といわれる孔子の「五常(仁義礼知信)」を実践する力が手に入れやすくなります。
「仁」は思いやりのことです。私たちは、仕事を通してお客様の困りごとを解決しています。だから仕事は尊いのです。皆さんの会社にも困りごとが一つや二つは必ずあるはずです。仕事はそれらを解決することですから、困りごとに寄り添う共感力が求められるのです。共感は人間力です。
企業活動とは、働く人たちが協調し合って、ワンチームとなり、実行に移してお客様の問題を解決していくことです。問題を解決する力を、「コンピテンシー(能力)が高い」と言います。業務において優れたスキルを持つハイパフォーマーです。
「義」は正しいという意味で、仕事の手順を正しく行い、職場やお客様の信頼を得る力のことです。「あの人の仕事は機敏で納期にきちんと間に合わせてくれる」と高く評価され、売り上げや利益の向上に貢献します。
「礼」は「秩序・ルール・規則」のことで、お客様だけでなく、会社の同僚や上司・部下とのルールを守る、高い価値観や倫理観のことです。健全な企業文化は「礼」の高い人たちがつくり出します。ダラダラした仕事の仕方ではなく、お客様にも機敏に丁寧に接し、ケジメある「関係性・仕事の仕方・礼(マナー)」を有しています。秩序ある企業文化が人物を育てるのです。
本記事は、月刊『理念と経営』2024年9月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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