企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

夢を描きその実現に挑んでいますか

小学二年生の少年は、三歳のときに太陽系の惑星に関する展示を見て宇宙の世界にのめりこみました。そしてわずか六歳にして中学生レベルの天文宇宙検定三級に合格します。好奇心が人間を成長させます。

宇宙飛行士に応募した小学生

 福井県の大森陽生君(8歳)が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士の募集に応募書類を送ったようです。小学二年生というから驚きです。子どもたちは大きな夢を持ってその夢を実現すべく、具体的に行動を起こしています。
 それに比較して大人の世界は、自分で自分の可能性に気づかず、小さなことや目先のことに毒されています。与えられたままに受け身で仕事をし、経営をする。好奇心がなくなると、面白くなくなるのです。
 面白くない、意味が見いだせない、ビジョンがない、具体的な目的・目標がないのは、「仕事そのもの」「経営そのもの」に原因があるのではなく、自らの好奇心の薄さに原因があるような気がします。
 好奇心を持てないのは、好奇心の対象が偏ってしまったり、そういう場が与えられずに、自分の狭い世界に閉じ込められているからだと考えることもできます。核家族化の結果、子どもは狭い部屋の中で遊ぶことで、無意識に空間感覚を学習しているよ
うです。
 学校に行って教師にグラウンドで遊ぶように指示されると、広いグラウンドを回るのではなく、空間学習した自宅で遊び回る範囲の、半径一・五銘を無意識にぐるぐる回るそうです。一度身につけた空間感覚は、物の見方にまで影響を与えるのかもしれません。
 少年は三歳のときに、児童科学館で太陽系の惑星に関する展示を見て、宇宙の世界にのめり込んだようです。当然、JAXAでは、実務経験などの条件で対象外になり、合格しませんでした。
しかし、文面は担当者の目に留まり、「熱意が伝わった」との返事が届きました。テレビ報道で見る限り、落胆の様子もなく、実に天真爛漫にはしゃいでいました。

「夢見る力」を取り戻す

 社長力とは「夢見る力」です。厳しい現実が待ち構えていますが、夢見る力がある限り可能性は存在します。私は社長力・管理力・現場力の三位一体経営実現の具体的方策として、全社ぐるみで学ぶ「グロースカレッジ」で、「スターバックスはなぜ成功したのか」と題して毎月、動画学習の「ジョブ・ナレ」でその要因を講義しています。
 そこでは、イタリアのコーヒー文化をアメリカに持ち込み、エスプレッソコーヒーをシアトルや全米に提供するため、投資家たちに新会社「イル・ジョルナーレ」への投資をりながら、悪戦苦闘する創業者ハワード・シュルツ氏の姿をお伝えしてい
ます。
 二四二人の投資家に夢を語り呼びかけますが、二一七人に断られるエピソードなどです。元手資金として四〇万バ、「エスプレッソ・バー」を八店舗以上オープンして、シュルツ氏の夢を認めさせる必要がありました。そのために一二五万ドの資金が必要だったのです。
 しかし、多くの人が相手にしてくれませんでした。さすがのシュルツ氏も嘆いています。このとき、「自分は負け犬のような気持ちになっただけではなく、負け犬の中の負け犬だった。まるで自分がドアをたたく度に蹴飛ばされ、打ちのめされているような気がした」と述べています。これはハワード・シュルツ氏三二歳のときの体験です。

本記事は、月刊『理念と経営』2022年10月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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