企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

四六時中、顧客のことを 考えているか

世の中はいつの時代でも不透明で、予測不可能です。社長力とは、自分軸の確立をも流を読み、安易に時流に流されぬ不変の社会軸を探求する力のことです。二つの軸足を持てば、求めているものは必ず手に入るはずです。

自分軸と社会軸の確立を急げ

 企業経営がうまくいかない理由は、外部環境の激変にあることは否めません。業種によっては残酷としか言いようのない面が強くあります。
 しかし、あえて言えば、「自分軸」の軸足がふらついているようにも思います。有事には、明確な軸足を持っているかどうかが問われます。
 松下幸之助翁に四四年仕えられた木野親之先生は、自分軸を明確に持って生きることの大切さをよく話されていました。そして、次のように述べられています。
 「夢見ることをやめた時、人は生きることをやめた時です。幸之助は『失敗から学ぶことが出来れば、その失敗は成功なのだ』と言っています。また、『事業の成功と失敗の境目は、その人の人間性によるものだ』とも言っています。(略)幸之助は、『経営理念が確立した時に、その人の事業は半分成功した』と言っていました」
 自分の軸足を確かなものにするには「経営の原点」に戻ることです。
 前号では、株式会社ミヤザキの山之上道廣社長の言葉を引用しながら述べましたが、自分軸と社会軸の確立が成されているから、企業が成長・発展していくのです。なぜ経営をしているのか、なぜこの事業を行うのか、事業の目的を再定義することも大切です。そこに有事突破の糸口が見えてくるのです。

何によって憶えられたいかね

 自分軸だけでは難局を乗り切ることはできません。人は何らかの貢献意欲を満たすために生まれてきました。そのためにわれわれは天与の才能を与えられています。自分軸をより高尚なものにしていくためにも、社会という認識が不可欠なのです。
 「私が一三歳のとき、宗教の先生が「何によって人に憶えられたいかかね』と聞いた。誰も答えられなかった。すると、『答えられると思って聞いたわけではない。でも五〇になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ』といった」
ドラッカー博士の数ある名言の中で、この言葉は特に心に沁みます。「あの人はお金儲けが上手な社長だった」「あの人は努力家でとても勤勉な社長だった」「あの人は自己修養され人を大切にする社長だった」「あの人は世のため人のために尽くした」⋯⋯
 どう言われるような社長を目指すのか。人は目指した方向に自らを導きます。縦に自分軸を引き、横に社会軸を引くと、自分が四つのどの枠に入るかがわかります。自分軸・社会軸の枠に入る努力を社長力といいます。磨けばどんどん光ります。
 NHKの大河ドラマになった渋沢栄一翁や、経営の神様といわれた松下幸之助翁や、トヨタの社祖豊田佐吉翁や喜一郎氏⋯⋯、日本の産業史に名を刻んでいる人は、この自分軸と社会軸の両方をバランスよく確立しています。
 コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、物価の急激な高騰などが起きている今ほど、自分軸が求められている時代はありません。物事の判断も、確かな「自分軸・社会軸」を基準にすべきで、社長の実力が試される時です。

本記事は、月刊『理念と経営』2022年6月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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