企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

人間の能力に大差はなく、わずか一%の差で決まってくる

 企業の成長や発展の差は日々の小さな継続(リハーサル)で生まれます。逆にどんな幸運がやってきても、日々、顧客・社員・企業・社会のために一%を善用しなければ、やがて衰退していきます。
 一%の時間の使い方の差がすべてを決める
 可能思考メソッドでいうリハーサル理論の「一%の強烈な差」について述べます。時間の使い方によって、人生や仕事や経営に大きな差が生じます。いかに良い状態を三六五日続けることが大事なのか、屁理屈めいた数字の事例に見えますが、ご紹介します。トライ&エラーは成功する人や企業の基本的な考え方の一つです。本田宗一郎翁はトライ&エラーを奨励した経営者の一人です。すべてが成功するわけではありません。良いことにトライしても失敗しても、考え方次第で後々の成功につながります。ホンダジェットは失敗からノウハウを積み上げて飛んだ飛行機です。一%の努力を日々積み重ねた結果です。
 リハーサル理論とは継続学習のことです。S字状をした「シグモイド曲線」という成長曲線があります。学習初期は、ほとんど効果は出ませんが、学習量が一定に達するとその効果が急速に大きくなります。私は「思考の質」を高める可能思考メソッドとして、体験を通して学習する手法をお伝えしていますが、「何かを継続しているかどうか、その投入時間の差で圧倒的な差が出る」という考え方を基本にしています。
 単純に成功の法則を計算式で考えると、日々ー%の努力を積み重ね継続するだけですべての目標は実現し、逆に日々一%手を抜くと、マイナス幅が圧倒的に大きくなります。
 簡単に計算式を示します。今より「一%良くなった状態」で三六五日過ごしたとすると、一・〇一の三六五乗=三七・七八三四三四三⋯⋯になるのです(三木谷造史一成功のコンセプト」幻冬舎文庫)。約三八倍の成長を果たすことになります。誰もが「良くなった状態」を重ね続けることによって、「塵も積もれば山となる」のです。
 人の役に立つために時間を善用しよう
 逆もまた真なりです。手を抜くと、一時的にはしのげても、必ず「〇・九九の法則」が働きます。三六五日後、〇・九九の三六五乗=〇・〇二五五一七⋯⋯となり、一年間で莫大な損失になります。
 経営だけではなく人の成長も同じです。一%の時間をお客様・職場の仲間・企業・社会のために貢献し続けていると、驚異的な発展となり、怠けてー%を無駄にすると恐ろしいほどの凋落をたどります。
 ゴルフのマスターズ・トーナメントで日本人初の優勝を果たした松山英樹選手も、テニスの大坂なおみ選手も、一%の時間を「良くなること」のために使うことで勝利し、結果をつくりました。素質は当然認めなければいけません。しかし、いくら素質があったとしても「日に一%の手抜き」をしたら必ず敗者となるのが人生です。甘い評論家や経営の実務経験がない人の空理空論乗って現実を無視すると痛い目に遭います。
 一%の良いことを継続するか、逆に怠けたりいい加減に使ったりするかで、最後は必ずプラスかマイナスの結果が出るようになっています。
 私が担当する人間成長の体験学習では、日々の一%を目標実現のために努力して一年三六五日継続することで、自己や企業の成長を実現できるという考え方に基づき、「実践」の大切さを説いています。
 目標実現や成長のためには、まず時間の最大活用が重要です。ところが、私自身も含め、人間は時折「楽をしたい」という誘惑に負けます。その気持ちに引きずられて三六五日を過ごすと、すでに述べたようなマイナスの結果が待っています。

本記事は、月刊『理念と経営』2021年7月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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