企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

才に恵まれた者は、その力を世のため人のために使わねばなりません

鬼退治を誓う鬼殺隊の柱(最上位の剣士)の一人が幼いとき、「なぜ自分が人よりも強く生まれたのかわかりますか」と、母から問われる場面が映画に出てきます。社長は人の上に立つリーダーです。「鬼減の刃」はわれわれに生きる姿勢を問うています

『鬼滅の刃』に学ぶこととは?

 『鬼滅の刃』がヒットする理由を知りたくて漫画を購入し、映画も見に行きました。理由がわかるような気がしました。主人公や登場人物の生きざまを見ながら、人が本来持っている精神性の高貴さ、崇高さを、われわれ大人が奪っているのだと感じました。
 主人公の寵門炭治郎ら少年たちは、人間を食べて永遠に生きる鬼を退治するために、それぞれが強くなろうと必死に鍛錬していきます。 人に言われて立ち上がったのではなく、①自らの正義感、良心、冒険心、②人を思いやる仁、③どんなに危険でも悪に立ち向かう義、④鬼殺隊の柱を尊敬し真摯に学ぼうとする礼、⑤困難に出遭っても鍛錬の積み重ねと自助努力で智恵を出しながら戦う姿勢、⑥人間として信を尽くす誠実さや助け合いなどの信を、映画や漫画に登場する少年や柱の生きる姿に強く感じました。
 現代人は満たされない自分、目標や意味の喪失、そして戦う場を奪われた自らのアイデンティティーや正義感を登場人物に投影しているのではないでしょうか。私を含めてリーダーの中に、自らの模範となる人物がいないのです。一部の上司は、登場する柱、 すなわち模範となる人物とは遠い存在であり、正義にあふれて戦う姿がありません。
 父親は、本来の父性を失い、家庭にあっても友達感覚で、真に自分の命と向き合い、生きる意味に向かって戦っていません。母親は、「なぜ人よりも強く生まれたのか」、「才能を持って生まれたのか」と、子どもへ鋭い問いかけをしません。わが子を溺愛し、スポイルしています。
 半面、現代社会に希望が持てるのは、われわれ現代人の根底にも鬼殺隊の少年少女たちと同じく、 「今の生活ではいけない、 自分らしく生きたい」という強い欲求があることです。大ヒットするはずです。

本記事は、月刊『理念と経営』「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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