企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

日本人が忘れかけている「飽くなき探求心」

高校生棋士の藤井聡太さんが、棋聖戦で前棋聖の渡辺明さん(36歳)に勝利し、最年少記録を塗り替えました。見えないところで自分を鍛えていたのです。若者から教えられることが多くなりました。

努力と踏ん張りは藤井聡太さんに学べ

 今年七月に藤井聡太さんが棋聖戦で渡辺明さんを破り、一七歳一一カ月で最年少の棋聖に輝きました。コロナ禍の閉塞感に日本列島が覆われる中で、若者の笑顔は大きな希望を与えてくれたと思います。
 対戦相手の渡辺明さんも「現役最強」といわれるベテランです。対戦中、その鋭い視線をテレビで見ながら、もしかしたら膝井さんは敗れるかもしれないと思う場面もありました。しかし、藤井さんの努力と踏ん張りに大いに学ばせてもらいました。
 翌日の会見に、藤井さんは「探究」と揮電した色紙を持って現れ、「将棋は難しく、この立場にたってもまだまだわからないことばかり。探究心を持って盤上に向かいたい」と話していました。これは日本人が忘れているものかもしれません。社長力とは「飽くなき探究心」です。
 「日本の未来のますますあかるくなる為には若い人間が、自覚をもつことが必要だが、
しかし、これからの若い人たちが幸福に、自分の一生を美しく生かせるやうにするためには、中年以上の人が余程、賢くなる必要があるやうに思ふ」(亀井勝一郎編「武者小路実制人生語録」朋文社)
 編者である文芸評論家の亀井勝一郎氏は、同書の序文で次のように述べています。われわれが噛みしめなければならない言葉です。
「すべての偏見と小さな主観を捨てよ。これは言ふは易く行ふはむつかしいことだ。
長いあひだの修行が必要である。自分では脱却したつもりでも、ついその時どきの自分の憧憬や空想によつて相手を歪め易い」(同)
 藤井聡太さんに学ぶべきは素直さのような気がします。敗れても笑顔、勝利したら照れたような表情を見せる様子には大いに教えられます。

本記事は、月刊『理念と経営』2020年10月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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