企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

「不安や恐れ」はバネにして勇猛果敢に行動すればよい

「人間を知る」ことが社長の大事な要件です。松下幸之助翁は、「君な、経営を成功させるには人間の研究をせんとあかんで」と、口癖のように言われたそうです。人物学と経営学は一心同体なのです。

ホモ・サピエンスはなぜ生き残ったのか

 自信に満ち溢れている人にも、不安や恐れは内在しています。かつて人類が誕生したとき、20種類ほどの人類が存在していたといわれています。しかし、長い歴史の中で、われわれの祖先であるホモ・サピエンスは残りました。ネアンデルタール人が絶滅したのに対し、なで、ホモ・サピエンスは生き残ったのでしょうか。
 それは、ホモ・サピエンスが「不安や恐れ」を他の人種よりも強く持っていたからです。不安や恐れをマイナス視する人がいますが、社長力とは先々を読む力であり、不安や恐れから目を背けて楽観的になり過ぎる人は、経営者に向きません。
 楽観論を否定するわけではありません。不安や恐れは黄や赤の信号です。成功した経営者の伝記は、困難や逆境に出遭ったときにこそ“楽観”し、うまくいっているときほど黄や赤の信号が必要だと語っています。あえてリスクを取り、勇敢にチャレンジすることも企業経営には求められるのです。
 安易に現状維持のまま良しとしてしまっているとすれば、黄や赤信号が弱まっている証拠です。お客様の消費動向や、新技術によるビジネス環境の変化に気づかず、経営革新を怠った企業は淘汰されていきます。
 万物は流転します。現状維持や自己満足、うぬぼれは「生存本能」が脆弱になっている証拠です。不安や恐れにも、前向きのものと後ろ向きのものの2種類があります。前向きに健全に活用すれば、経営の信号機になりますが、後ろ向きはストレスになり、行動や思考をストップさせてしまいます。恐れを的中させないためには、恐れをバネとして、怠りなく準備する習慣を身につけるべきです。

準備すれば、恐れたようにはならない

 不安や恐れを感じたときに必要なのが、平素の「備え」です。恐れを的中させないために勉強や努力があります。備えあれば憂いなし、というように、常日頃から備えさえしていれば、そこから勇気と自己確信が生じ、知恵が湧きます。創造性が働き、次善の策が生まれます。不安や恐れの原因を探り、意志の力を発揮すればよいのです。人生にも経営にも不安や恐れはつきものです。
 大事なのはそれを「突破する力」です。立派に生きる志や、それを成就しようとする意志の力を身に付けることが欠かせません。
 人間の脳は、初期の爬虫類脳に哺乳類脳が加わって進化した結果、現在があります。
 不安や恐れは、「生存のため」に回避するか戦うかを一瞬で決める力を生み出します。敵か味方かの判断を再考速度で見分けることもでき、問題が起きないような次善の策を生み出す機能もあるのです。右か左か判断する力です。
 リーダーシップとは明確に決める力です。リーダーは恐れを最大活用して勇猛果敢に行動すればよいのです。不安や恐れを強い実行力に昇華させてください。
 さらに問題が起きてから、「しまった。また失敗した・・」と同じことを繰り返す人がいますが、それは正常に不安や恐れが機能していないだけなのです。危険を認知してそれに適切に対処するとき、恐れは完璧に回避できます。準備していれば恐れたようにはなりません。

本記事は、月刊『理念と経営』2020年3月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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