企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

人財育成とお客様満足に惜しみなく「時間」を使え

社長力とは時間の有効活用能力のことです。何に時間を使っているかで、企業の成功や失敗が決まります。幕末の儒者、佐藤一斎の「多忙と謂う勿れ」は至言です。徒に時を過ごすことがないようにしなければいけません。

「二対八の法則」は江戸時代にもあった

 一八九六年、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートは、イタリアの国土の八割は人口の二割によって所有されている、という研究結果を発表しました。いわゆるパレートの法則(分析)です。この「二対八の法則」は、さまざまな経済法則にも通用します。例えば、売り上げの八割は上位顧客二割によってつくられています。この「二対八の法則」は多くの面で、おおよそ、間違いなく商品構成分析などに活用されています。
 時間においてもそうです。仕事のできる人は二割重要な時間に集中して、八割の業務をやり遂げています。ところが生産性の低い人は、決まって八割の時間をだらだらと重要度の低いものや、時には無関係なものに使っています。
 佐藤一斎は『言志四緑』で、次のように述べています。
 「今人率ね口に多忙を説く。其の為す所を視るに、実事を整頓するもの一二、閑事を料理するもの十に八九、又閑事を認めて以て実事と為す。宜なり其の多忙なるや。志有る者誤って此の窠を踏むこと勿れ」
 「実事」とは、仕事でいえば重要業務のことで「閑事」はさほど重要なものではないことだと述べているのです。閑事に時間を八~九割を奪われると、実事が疎かになります。
 社長力とは、一日の時間を重要度に応じて配分する能力のことです。重要度の最も高い二割に時間を配分すれば、実に八割の成果を生み出します。肝心の重要業務を置き去りにしては、真剣に時間のマネジメントはできません。

志の低い人に限って無駄なことをしている

 佐藤一斎の主張を、パレート流に解釈すると「社長の立場になれば、地域にも認められると同時に、いつの間にか雑事も生じてくる。だから注意しなければ、いつの間にか肝心なことをやらずに、口を開くと『忙しい、忙しい』と言うようになってしまう。しかし、そういう人をよく見ると、実際に役に立つことに使っているのは、わずか十のうちの一か二である」となります。
 佐藤一斎は時間の使い方に、その人の人間性や志を見ているのです。つまり、「志の低い人に限って、十中八、九無駄なことをしている。しかも、無駄な時間と肝心な時間の区別さえつかないのだから、多忙と言って心を滅ぼすのは当然のことだ。志を高めていくには、時間を有益なものに使い、忙しいという考えを捨てなければならない」ということです。
 業績も良く、人も育ち、社風の良い企業には、間違いなく社長自らが志を高く持ち、閑事を慎んで実事に邁進しています。人材育成に時間を惜しみなく使い、自らを鍛える学びに活用し、存分にお客様の満足に徹した結果、会社は繁栄するのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2019年12月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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