企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

日本企業は、決して安穏としてはいられない

全員が目標を実現していけば、どんな厳しい時代も乗り越えていけます。社長は、社員に目標の意義を理解させ、自主性を持って挑んでいけるようにできる、最高の「目標実現アンバサダー」でなければいけません。目標実現は最大のモチベーションアップです。

国民の七四・七パーセントが現状に満足している

 時代は大きく変化しています。おのずから仕事に対する価値観も変化します。この多様化の時代に、過日の内閣府発表の国民生活に関する世論調査によれば、国民の七四・七パーセントが現在の生活に満足しています。四月に退任した経済同友会の小林喜光前代表幹事は、このありさまに対して次のようにコメントしています。
 「僕からすれば異常。勝負している人間は欲求の塊なので、本来、満足するはずがない。……国も企業も次の世代に向けてまっとうなものを残そうとするなら、勝っていかないといけない。経済的にも比較優位を目指さないといけない。そして、負けたという認識がなければ、次に勝とうという意識さえ生まれない」
 小林前代表幹事は自身の体験に基づいて、次世代に対する危機感を前向きに発言されているのです。
 そこで私なりに、なぜ現状に「満足」という状態が生まれるのか、考えてみました。おそらく、大きく二つの理由があります。日本は外国ほど貧富の差がなく、そこそこで満足な生活ができることが一つです。それから、国民全体に明確な目標がないことです。
 安倍政権の「働き方改革」以後、急速に「いまよければいい」「自分さえよければいい」「ここさえよければいい」という考え方が増えているような気がします。この風潮が一番怖い。
 安倍総理も努力されていると思いますが、明確なビジョンや具体的目標を示さず、国民全体で共有すべきものが見えてきません。「令和」は厳しい時代になるでしょう。現状維持は国家の停滞です。

“激変の時代„には、トップ自身が先頭を走れ

 社長力とは、ビジョンを示す力のことです。具体的な目標を明確に設定し、なぜ目標を実現することが大切なのかを伝道する「目標実現アンバサダー」であるべきです。
 特に時代の激変には、トップ自身が先頭を走らなければいけない。AI時代に向けて、デジタル社会への判断は急務です。日本企業は決して安穏としてはいられません。四月に横浜で、日創研経営研究会の全国大会が行われました。
株式会社ファンケルの池森賢二会長、行商から身を起こされて約二〇〇〇億円の企業グループにされた「洋服の青木」の青木擴憲創業者、初期の苦労時代のユニクロを会計面で支えた安本隆晴公認会計士の三人に、記念講演をいただきました。
 分科会も会員企業の方々が熱弁を振るわれました。明確な目標を持たれ、それを社長自身がアンバサダー、すなわち「模範」となって戦っておられます。テーマ「挑戦」にふさわしいお話でした。
 アンバサダーの役割は、目標に対するコミットメントを引き出すこと、そして上から命令ではなく、やらされ感をなくし自主性を持たせることです。そのためには、徹底して的を絞った戦略思考と目標設定が必要になります。
 メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、肘の故障で苦しんだ時期もありますが、自分の決めた目標に向けて観衆を巻き込んでいます。社長は働く人々や周囲に応援してもらわなければなりません。日頃の経営姿勢や人物の質が問われます。アンバサダーの条件は、周囲に信頼され尊敬される人です。
 日創研では、働く人々の全国グランプリ大会である目標実現アンバサダー大会を開催しています。各ブロック大会に出場する方々の自己成長目標、顧客への貢献、仲間との協力、会社へのエンゲージメントは、実にすごいものがあります。

本記事は、月刊『理念と経営』2019年8月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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