企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

すべては戦いであり負けてはならない

社長力とは自己を超越する力だと、富士フィルムの古森重隆前CEOの対談(小誌20年2月号)で感じました。古森氏は「会社のため」に働くと断言し、不採算事業を次々と立て直しました。強烈な人間的魅力は基盤力の鍛え方にある、と述べられています。

経営者は学者や評論家ではない

富士フィルムの古森前CEOは、小誌の野中郁次郎先生との巻頭対談にご登場されました。フィルム事業が急激に市場から消えていく中、準備「次の事業」で飛躍し、M&A(合併・買収)戦略で経営革新させた古森氏は、一九六三(昭和38年)の入社以来、仕事での試練を乗り越えて自己を鍛え続けられたのです。学生時代に実存主義のニーチェの説く「超人」の哲学を学ばれ、アメリカン・フットボールで体を、哲学や多くの学問で精神を鍛えられ、机上の空論を排して会社のために働くと言い切られます。六〇年代、営業担当だった偏光板保護フィルムのフジタック事業の撤退案が浮上しました。そのとき二〇代後半でしょうが、上司に具体的な提案をして、新規用途開発のために会社で寝泊まりしながら、技術担当者と戦略を練り、潜在市場の調査を行って電飾看板向けなどの新規顧客開拓を成功させたのです。「経営者は学者や評論家ではない。実行したうえで、必ず成功させなければならない(古森重隆「魂の経営」東洋経済新報社)と、実行することの大切さを強調しています。課長代も関税引き下げの兆しに危機感をち、当時の社長に一〇倍の技術力を持つ米イーストマン・コダック対策の経営革新を提案し続けます。口先だけでは"温室の花"。で、実務に役立ちません。「超人」を説く哲学者ニーチェを愛し、"他の既存の価値に縛られるのではなく、自分ちに自らの信じる価値を確立する"生き方を選ばれています。そのために人間の根本となる力(基盤力)を養えと、「誠実に向き合う力」「感じる力「考える力」「実行する力」の逐を諭しているのです。「何事からも謙虚に学ぶ」「努力は人を裏切らない」。勇気づけられる言葉です。

危機に際しての「選択と集中」

古森氏は富士フィルムの改革に際したときのことを、次のように述べられています。「やることは限られていました。わが社にはポテンシャルも含めどんな技術があるか。それがどんな分野に適用できて、どんな商品を出すことができるのか。『新たな成長戦略の築」が一つです。 もう一つは日本・オランダ・アメリカに大規模な工場と世界中に一五〇カ所以上の現像所を抱えていました。この維持には莫大なコストがかかります。これは『リストラ』しななければいけない」(小誌20年2月号)経営戦略でもマーケティングでも、多くの社長が「選択と集中」を語ります。しかし、それを早急に実行した社長をあまり見かけません。古森氏の"経営者は評論家ではなく実践する慣を身につける"姿勢は、王陽明の「事の上に置いて己を磨く」考えと同じです。こ「事上磨錬」は門弟の質問に答えた修行の要諦です。「静かな環境で悟りを得たような錯覚すると、いざ何かあったとき、おまえのように乱れる。おまえは"温室の花のようなものだと、伊興田覺先生にお教えいただきました。

本記事は、月刊『理念と経営』「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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