企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
社長力
2018年2月号
明確なビジョンがあるリーダーには、有能な人財が集まる

良い人財ほど社長力を冷静に見ています。社長力とは、尊敬され、信頼され、慕われるという「コミュニケーションのマスター」になることです。働く人びとに達成感を与える魅力あるリーダーにしか、人はついてきませんし、生産性は上がりません。
孫子の兵法では、現実の力量を「五事七計」で比較する
「働き方改革」の施行は、今後、企業に深刻な問題を投げ掛けてきます。日本オラクル㈱で立派な業績を上げ、現在は日本で、㈱サンブリッジのCEOであるアレン・マイナーさんは、「紙の上で論じられる政策や経営論は、日本を駄目にする」と、アメリカ型を表面的に追随するのではなく、本来の日本の強みを最大限発揮すべきだ、と述べていました。
そこで問われるのが社長力です。時代は、今まで以上に厳しいものになると思います。仮に、社員さんに「うちの会社は10年後どうなっているのですか」と問われたときに、沈黙している社長には、有能な社員さんはついていかないでしょう。彼らも日々の報道で、日本の不安定な状況をしっかり把握しているからです。
社長は自社のビジョンを明確に示すべきで、「未来構築力」が最大の課題です。どんなに人手不足になっても、明確なビジョンがある会社には優秀な人びとが集まってきます。
孫子の兵法では、社長力を「五事七計」で比較します。つまり、祖先を祭る霊廟で、戦う前にどうすべきかを明確にする「廟算」と呼ばれる会議があるのですが、そこで、現実の力量分析が行われます。五つの事柄と、七つの比較検討です。わかりやすく言えば、市場の分析であり、経営資源のシビアな実情比較です。
あえて今の時代を悲観的に捉えるか、あるいはこういう時代だからこそさらに経営資源を最大活用するか、どちらかを判断しなければいけません。私は、働き方改革は断固反対ですが、考えようでは最大の機会にすべきです。まさに社長力が問われる理由です。
他社と比較して自社は有利かを把握して手を打つ
孫子は「五事」、すなわちその5つの分析を行えと述べています。「道」「天」「地」「将」「法」です。一番目に問われるのが「道」、いわゆる社長力です。御社と他社ではどちらの社長力が優れているか――①社長と幹部と社員さんの団結力はどちらが優れているか。②一致団結して組織的に機敏に動くような日頃の教育はどちらが優れているか。③どのように経営資源の最大化を図っているか。
市場での競合他社と、冷静に比較判断しなければならない。日頃の社長力が厳しく問われます。
本記事は、月刊『理念と経営』2018年2月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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