企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
社長力
2019年1月号
与られた役目を果たしたかどうかで、人は評価される

一度しかない人生にとって、献身的な姿ほど美しいものはありません。社長力とは権利より義務を優先することであり、そこに高貴な生き方が実現するのです。献身的な生き方を身につければ大きな道が開けてきます。
次世代への責務を果たすのが「社長の任務」ではないか
元号が変わり、平成という時代も終わります。昭和時代に生きた人間として、昭和から平成へ、そして、平成から次への変化に寂しさを感じます。昨年、宮内庁から出された美智子皇后陛下の談話を読み、そのお務めの中に悲喜こもごもの思いを感じて、改めて自分に与えられた任務の重みに気づかされ、至らぬ自分を反省しました。
特に、日々、今上天皇を支える中で感じてこられたお気持ちには、人の上に立つ者の一人として身が引き締まる思いがしました。災害で苦しむ国民を案じ、犠牲になられた方々を衷心から悼まれるお言葉は、われわれが学ばなければならない「慈愛心」ではないでしょうか。
また、被災地を慰問に訪れたときに、日本の未来を担う子どもたちの健気な姿を見て、次のようにお心を綴られています。「時々に訪れる被災地では、被災者の静かに物事に耐える姿、そして恐らくは一人ひとりが大きな心の試練を経験しているだろう中で、健気に生きている子ども達の姿にいつも胸を打たれています」
われわれ社長の役割とは一体何か、と問われているような気持ちになりました。単に自分一身自社一社のことだけではなく、未来を担う人財の育成なのだと強く思いました。資源のない、かつ災害に耐えてきた歴史を持つ国の一人として、いかに人に光を当てるか、いかに困難に耐え得る人間を育てていくか、次世代を担う者への責務を果たすことが社長の任務ではないでしょうか。人は一つの区切りをつけるとき、与られた役目の結果を問われるのです。
お互いの献身による経営が三位一体の経営である
東日本大震災の折、われわれは国民一体となり、被災者支援に努力しました。海外からは、日本人の美しさや耐え抜く力、精神的回復力の強さに、大いなる称賛を寄せられました。
家族の中に犠牲者を持つ人も多くいました。心の中で悲しみを抱えながら、天を仰ぎ一人で涙をぬぐって耐えたのです。
本記事は、月刊『理念と経営』2019年1月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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