企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
社長力
2018年1月号
働く人たちに、堂々と「逆境の中にこそ夢がある」と伝えよう

人間はどんな逆境からでも、夢を実現できる力があります。社長力とは夢に挑み、夢を語る力であり、そのために、誰よりも必死に努力してやり抜いて、夢を形にしてみせる力のことです。社長は、自分の背中で示すことが大事です。
〝逆境〞をものともしない蒲島郁夫知事の後ろ姿を見よ
2017(平成29)年、熊本で「復興支援講演会」が開催されました。小野健次会長を中心として日創研・熊本経営研究会の全員が企画し、熊本復興に向けて1000名を集められました。会員の阿蘇の岡本宗徳社長は、阿蘇神社復興のために、サイダー販売の収益金2000万円の寄付をされ、志の高い方々の熱い念いに感動しました。
私の講演前に蒲島知事がごあいさつをされました。その前に、コーヒーを飲みながら歓談させていただきましたが、政治不信の折に、こんな政治家もおられるのか、と希望を持つことができました。世襲政治家が多く、そのせいか、近視眼的な甘い政策が横行するなかで、蒲島知事の政治理念は、どん底から立ち上がった人らしく、かつ、東京大学で政治学の教授をされていただけに、現実的で深みがあり、未来に夢を感じさせる印象を強く受けました。
蒲島知事は1947(昭和22年)のお生まれです。出身地の山鹿市は、当時片田舎で、家もボロボロで10人の家族が八畳一間で起居され、経済状況は厳しく、自分は下流中の下流にいたと、ご著書『逆境の中にこそ夢がある』(講談社)に書かれています。
今、教育費の無償化が言われていますが、そこには大きな矛盾もはらんでいます。日本は昔から「甘えの構造」が指摘されていました。日本人の強みであった自助努力の精神が失われ、短絡的な政策がそれを助長してきたのです。
日本の財政状況はまったく無視され、プライマリーバランスもマイナスの指標が確定しました。大学の学費無償化、企業の406兆円の内部留保課税、働き方改革以来、次々に愚策が出ています。
すでに社会現象になった〝フラリーマン〞という言葉
働き方改革で労働時間が規制され、都会では5時過ぎの時間を持て余す〝フラリーマン〞が急増しています。〝フラリーマン〞とは退社してからふらふらと寄り道をしながら帰る人という意味で、こうした言葉がすでに社会現象になっています。片や、人手不足で企業は困窮し、片や、働きたいのに規制されて時間を持て余す人もいます。技術者は「もっと研究する時間が欲しい」と訴え、生活に余裕のない働き手は「もっと稼ぎたい」と述べています。
本記事は、月刊『理念と経営』2018年1月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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