企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

リーダーは事業経営の意味をひたすら問わなければならない

「人間は何を求めて生きるのか」は永遠のテーマです。人間は快を求める、あるいは、力を求めると定義する人がいる中で、
精神科医のフランクルは自身のアウシュビッツ強制収容所の最悪の体験から「人間は意味を求める」と確信しました。

亡命して研究に没頭するか、病弱な父親を看病するか

フランクルの著書『夜と霧』(みすず書房)は、いまでも読み継がれている名著です。30代で手に触れたとき、人間の自由意志に関して大きな衝撃を受けました。

現代人は、あれができない、これは無理だとすぐに環境の責任にしますが、ユダヤ人であるがためにナチスの強制収容所に入れられたフランクルは、どんな悪環境にあっても、人間は自由意志を持つことができるのだ、と体験的に確信したのです。

1997年9月2日、92歳で亡くなりましたが、単なる精神科医や心理学者ではなく、最悪な環境の中でも、人間には「自由意志」があることを説かれた諸理論は、自らの存在価値を喪失し、人間本来の崇高性に気づけないわれわれへの警告でもあるのです。

フランクルは、ナチスのユダヤ狩りで、米国に亡命する友人たちに盛んに誘われます。
命を落とすかもしれないオーストリアの生活よりも、友人たちがすべてを準備してくれた米国で、自分の研究に邁進する道を選びたいとも思いました。

しかし、フランクルには病弱な父親がいました。彼は「亡命して研究に没頭する」ことに意味があるか、「病弱な父親を看病する」ことに意味があるか、自らに問い続けます。
結果として、アウシュビッツ強制収容所に送られる危険を承知で、「父の看病」を選択します。

「意味への意志」「人間は快でも力でもない意味を求めるのだ」という結論を体験的に獲得します。
案の定、ナチス強制収容所に送られ、人間の尊厳を奪われる筆舌に尽くしがたい体験をすることになります。

人間には誰もが実現できる「3つの価値」がある

フランクル流に言えば、社長の存在は、快を求め権力を求める者であってはならない。
リーダーとして、自分の人生にどんな意味を求めるのか、事業経営にどんな意味を構築するか、ひたすら問う者でなければなりません。

社長力とは「道を求める精神性」の高さなのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2018年11月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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