企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

志や希望を抱いていれば、人間は誰もが「耐えぬく能力」を持つ

日本は豊かになりました。しかし、われわれには見えないところで、日々、目の前に立ち塞がる壁や困難と闘う人々がいます。
極度の緊張の中でも、難しいが楽しいと言い切る人がいるのです。

人間の潜在能力は「崖っ淵」に立たされたときに顕在化する

救命救急医療に携わるドクター・ヘリを扱ったテレビのドキュメント番組を見ました。
20数人の医師が、食事時間もゆっくりとれず、いつ帰宅できるかもわからない。
戦場のような状況を乗り越えていく、ドクター・ヘリで救命医療に従事する29歳の医師の奮闘です。

絶えず目の前に難関が立ち塞がります。
瞬時の判断が奇跡のように瀕死の患者を救い、判断を誤れば尊い命が失われてしまいます。
そのときは自責の念にかられ、天を仰ぎ、悔し涙を流します。

社長力とは、目の前に立ち塞がる壁や題を、瞬時に判断する力のことです。
なぜ、①意思決定ができないのか、②問題を先送りにするのか、③現実を無視した情緒的な自己効力感で曖昧にするのか、困難に挑むときに発するノルアドレナリンは悪いものではないのです。

番組に登場していた29歳の医師は、瞬時の判断力は体験の数と学問力だと述べていました。
人間の潜在能力は「崖っ淵」に立たされたときに顕在化します。そうした体験をする場面は現代社会ではあまり見かけなくなりました。
「崖っ淵」の体験や経験がない分、人間の潜在能力は弱まっているのです。
そんな判断力が脆弱な時代となったいま、私が心配しているのは知識だけで人は成長しないということです。

いまこそ、指導層は「3代の図」から学ぶべき時ではないか

順風満帆だったときには優れた社長でも、問題を抱えると急に塞ぎ込む人が多くなり、緊張するとすぐ判断できない状態に陥ってしまうこともあります。
あえて危険に身を置くことはお勧めしませんが、絶えず保護される生き方からは強いものは生まれてこないのです。

人間の生存の本能を司る「脳幹」は、生命力を左右する重要な役割を果たしています。
ところが、すべて恵まれてなんの危険もない状態で過ごすうちに、生命力は弱くなっていきます。それはどの国も同じです。

安逸な状態が続いている国は衰退の一途を辿ります。

本記事は、月刊『理念と経営』2018年10月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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