企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

辛酸や悲哀があるからこそ、偉大な成果は生まれる

パナソニックの谷井昭雄四代目社長は、松下電送の木野親之元会長を介して松下電器産業㈱(現・パナソニック㈱)に入社されました。
テープレコーダー事業で苦労をし、その成功でビデオ事業を任かされます。呻吟の日々の中にこそ、すべては成功の道につながるのです。

パナソニック創業100周年という歳月

創業者・松下幸之助は、徒手空拳で無の中から有を生み出し、幾多の苦難を乗り越えて、世界に冠たるパナソニックをつくりあげ、
〝経営の神様〞と謳われ、現在でも語り継がれています。
わずか9歳で丁稚奉公に出され、そこから身を起こし、誰に教わるでもなく創り上げた「松下経営哲学」。その意味を、われわれ社長はもっと学ぶべきです。
創業100周年を記念して、大阪府門真市本社敷地に新設されたパナソニックミュージアムに参りました。谷井昭雄4代目社長、山田昌子館長、
もう1人恵崎政裕さんという社史担当の方の3人に、4時間近くも館内をご案内いただきました。静まり返る館内には、松下幸之助翁の魂の声が聞こえ、
お写真とともにその生涯に触れたような感動を覚えました。
その100年間で開発・生産された製品がスクリーンを流れるように映し出されましたが、日本のものづくりの100年を見るようでした。
過酷な戦後を戦い抜かれ、ものづくりに寄与された人々の崇高な精神こそ、われわれ中小企業の社長は見習うべきです。
谷井4代目社長は、何度もこの記念館を訪れておられるのに、一つひとつの場面で立ち止まられ、その歴史をじっと噛み締めるように見つめ、
ご自分が入社されたときや、ビデオ事業の成功を収められたときのパネルの前では、より一層、その呻吟の日々や開発の喜びを思い出されているようでした。
「人生二度なし」といわれますが、同じ命を天から頂戴しながら、曖昧な生き方をする人が増えています。
社長力とは、何かに自分の命を懸け、その苦しみの中から真の喜びを見いだす力のことです。企業は社会の公器であると断言され、
公益に尽くされた創業者と、その偉大な創業者の最後を見送られた谷井四代目社長のご縁にも感動します。

本記事は、月刊『理念と経営』2018年9月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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