企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

お客様の「お役」に立つよう少しでも身を削っていますか

AI(人工知能)やITの導入は確かに大事であり不可欠です。
しかし、社長たる者は教育者であり、ビジョンや経営理念、使命を語る人でなければなりません。そして、リーダーは身を削る決意も必要です。

恩師というのは、なんと深い愛情で包んでくださるのか

理想と現実のギャップに悶々としていた30歳、私は、日本BE研究所の行徳哲男先生のご縁で、鎌倉の道元禅師の研究家である田里無先生に入門しました。優しいお人柄で人生の師として今でも敬慕しています。
「誰に出会うか」で生き方や経営は変化し、「どんな希望を抱くか」でその人の人格は決まります。恩師以上にありがたい存在はありません。
田里先生は「あなたは自分の身を削る決意はありますか」と、私に質問されました。当時まだ若かっただけに、その意味が深くわからず「はい、身を削ってがんばります」とだけ答えました。

田里先生は「あなたが学ぶ道元禅師は、『身を削り人に尽くさんすりこぎのその味知れる人ぞ尊き』と述べておられる。その境地を掴むには時間がかかりますよ」と語りかけてくださいました。
40数年経過して、田里先生はこの世にはおられません。私は自宅の座禅室で日々、『正法眼蔵・現成公案の巻』を読み上げて自己修養に努めていますが、その境地には程遠いものです。
テレビ番組で、ある教師が高校を卒業した教え子の生徒が就職に出発するとき、駅まで見送りに行って伝えた言葉に感動しました。

「人間はね、ありがとうの数だけ賢くなるのよ。ごめんなさいの数だけ優しくなるのよ。さようならの数だけ愛を知るのよ」
なんと、恩師というのは深い愛情で包んでくださる存在なのでしょうか。

社長は、働く人々の担任教師です。私が現在あるのは、小学校の5年6年を担当していただいた武尾嘉明先生のおかげです。

中学を卒業して父の借金返済で苦しんでいるとき、何の前触れもなく勤務する寿司店まで激励に来てくださいました。
裏口からそっとお見えになり「田舞はいますでしょうか」と、激励訪問でした。

本記事は、月刊『理念と経営』2018年7月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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