企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
管理力
2025年12月号
全員がマーケターであれ

PEST分析は経営にとって必要不可欠な分析手法です。Pは政治、Eは経済、Sは社会、Tは技術です。これらの外部環境を分析し、自社はどう対応すべきか、戦略を練ることが大切です。
どこに危険があり、チャンスがあるか
佐藤一斎の『言志四録』には、「逆境に遭う者は、宜しく順を以て之れを処すべし。順境に居る者は、宜しく逆境を忘れざるべし」と述べられています。
三位一体の経営には欠かせない考え方です。
経営に置き換えてみると、「企業経営には逆境を避けて通れないことが多々あるが、そのような時は気持ちだけは『順境』にいるように、心を落ち着けて冷静に対処する心がけがいる。逆に何ら問題なく順境が続く場合は、逆境の時を忘れずに決して油断をしてはならない」ということです。
中小企業経営はそれだけ厳しいのです。多くの経営者は漫然としているように見えがちです。管理力とは、自社の社長がのんびりしているようでも、潜在的には多岐にわたるリスクを背負っていることに、素早く気づく力のことです。
社長も人間です。絶えず脳を危険察知のために働かせています。企業を守るため、社員さんを守るため、お客様を守るため、絶えず脳幹が情報を探し求めて、自社にとってどこに危険性があるか、逆に飛躍するチャンスがあるか、常に情報収集をしているのです。
そこにアドバイスをするのが真の幹部です。管理力は順逆の時に必要であり、マネジメントをしながら「情報収集に優れていること」が挙げられます。
幹部のアドバイスを社長は待っている
自民党の総裁に高市早苗氏が選ばれ、第一〇四代首相に就任しました。管理職は、例えばこの総裁選についても、各候補の政治手法や思想を調査・分析し、日本や自社にとって誰が一番良い影響をもたらす人物なのか、逆に誰が悪い影響を与える人かを、自分の意見として社長に伝えてみるとよいでしょう。そのような進言ができる力も、「管理力」の一端と言えます。幹部のアドバイスを、社長は必ず「今か今か」と待っています。
その情報の一つが、「P(政治)」です。社長力で、高市早苗首相が松下政経塾出身で、その政経塾を創設したのが松下幸之助翁であることを述べましたが、さすがに中小企業に関心があり、赤字企業の賃金アップの支援策をお持ちのようです。単にパフォーマンスだけの人もいますが、討論会を注意深く聞いていると、自らの主観(価値観)で政策を語れるのでは、と期待します。
また、高市首相は、中小企業の物流関連企業にも目を向けているようです。長い間踏み切れなかったガソリン税の暫定税率廃止は与野党の合意を得ましたが、早期に実行してほしいものです。
運送・物流会社は、労働時間の規制のあおりでコストが増加し、残業減少によってドライバーの賃金も低下。加えて、燃料費高騰で利益も確保しにくいという苦境の中、会社が補填しています。燃料費をはじめ各種経費が上がっているのに運賃が同じでは、運送・物流会社は成り立たなくなり、経済も社会もとんでもなく混乱します。
本記事は、月刊『理念と経営』2025年12月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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