企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

試練が人間の器を大きくする

株式会社冒険王の幹部である宮嵜真一さんは、①担当店舗のマネジャー、②九州エリア一六店舗のマネジャー、③人財育成のリーダー、④執行役員の四役をこなし、冒険王になくてはならない存在として活躍しています。

一人四役のマルチタスク型の幹部

 人間はそれぞれが多彩な能力を持っています。今までの時代は分業や単能工で十分にやってこられました。冒険王の宮嵜さんは、全体最適の視点で意思決定する執行役員となり、六五店舗の組織に従事する社員さんの人財育成プロジェクトリーダーの任務も担っています。

 さらに、実際の販売店の店長として、日々の売り上げの計算をはじめ運営管理を行います。①従業員さんのエンゲージメントを高め、②お店の人材採用、③教育、④定着にも携わります。⑤面談や、⑥時には部下の離職手続きもしながら、⑦現場に立って販売もします。

 それだけではありません。会社全体の多くのアルバイトさんや、社員さんの教育計画も作成し、それらを実践しなければなりません。宮嵜さんは、その任務を全うするために、オンライン学習ツール「グロースカレッジ」などを通じ、広く人財育成について学んでいます。

 九州エリアの一六店舗の運営も担当し、学ぶ場も、深く思索する機会も増えており、自己成長の「場」を活かして組織に対してどう貢献するかを考えることが楽しいようです。マルチタスクは「活躍の場」が与えられると同時に、幅広い任務が課せられます。しかし、スキルがどんどん身につきます。

 オンラインの「実践学校講座」で、自身が担当している業務を公開していただきましたが、始終笑顔で質疑応答でも的確に答えられていました。堀岡宏至現社長、濱岡潤副社長の指示や依頼に対しても、四役こなさなければならない立場です。宮嵜さんは「仕事が楽しい」と言いながら、次の「ステージ」に挑み、より多くのお客様や組織に貢献したいと述べておられました。

志を大きく持てば与えられる場が広がる

 一橋大学名誉教授・伊丹敬之先生は、立派な経営者や幹部の共通項として、「志の高さ」を挙げています。誰もが企業経営に対して高い志さえ持てば、そこから自然に「場が与えられる」と持論を展開されています。伊丹敬之先生は、幹部に向けても、大きな志を持つことを奨励され、主体的に業務に取り組むことで、「自らの人間としての器が大きく伸びる」と主張されます。

 そういう意味で堀岡洋行会長は、高い志で試練を乗り越えました。堀岡現社長も先端企業で修業を行い、冒険王の二代目を引き受けたのです。企業経営において一代目、二代目は単なる順番であり、誰もが創業者です。堀岡社長は高い志を持って冒険王の未来に挑んでいます。

 真の指導者の条件として、吉田松陰は第一に「志を持て」と述べています。志とは心が向かう「ところ」です。堀岡社長の心は①未来の「あるべき冒険王」に向かい、②知識を磨き、③気力を養い、④徹底して行動しています。

 堀岡社長はあえて順風満帆な道より、代々商家である父の事業を継ぐ決意をします。当然、社長というポストは与えられるものではなく、挑んで手にするものです。それまでに得たIT関連の知識を駆使しながら革新策を打ち出し、会長の口癖である「働く人からの共感」も徐々に得ていきます。濱岡さん、宮嵜さんほか、多くの幹部・従業員さんの信頼を手にしたのです。人間力・考える力・仕事力・感謝力を磨き、起業家精神で社長の座に就きます。

 そして、組織全体のマネジメントを濱岡さんにお願いすべく副社長に就任してもらい、スクラップ・アンド・ビルド戦略で六五店舗を維持しながら高収益構造の事業モデルをつくり、創業以来の最高益を獲得していきます。

本記事は、月刊『理念と経営』2025年9月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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