企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
管理力
2025年1月号
可能思考能力のお手本は誰か?
管理力には対人関係能力が求められます。うまくいかない人は部下に何かを伝えるときや、上司に報告するときにストレスを感じます。逆にうまくいく人は歓びを感じ、ワクワクしながら伝え、報告をします。日々万全を期す可能思考が試されます。
自分の強みを知り、弱みを自覚する
管理力は組織の中枢にある経営幹部の絶対条件です。可能思考の高い人は物事の判断が俊敏です。その理由は自己信頼が強いからです。うぬぼれではなく、冷静に自分の強みを知り、弱みを自覚しています。
そしてセルフコントロールができています。常に人の見えないところで強みを強化し、弱みを是正しています。可能思考能力の高い人の一番の強みは、「自己への気づき」が的確な点です。絶えず自社や部下、自分やお客様の可能性に気づき、相手の困ったことや問題・課題に気づいて、素早く可能思考能力を発揮し、効果性の高い解決策を提示します。
「可能思考能力=気づき」といっても過言ではありません。われわれは経営活動をしながら、その中で「どうすればお客様の満足をつくりあげることができるか」という社会的任務を担っています。どうすればお客様に貢献し、社会的に役立つ存在として自社の価値を高めることができるか、日々、精神的な鍛練を繰り返しながら、どこをどうイノベーションすればよいかなど、可能思考能力を試されているのです。
「できる」という思考を前提にしていると、思いがけないアイデアやヒントが生まれ、目標や計画はでき上がるのです。
逆に創造性や想像性が出てこないのは「できない」という思考が前提になっています。そのため、着想力が鈍り、「気づき」という最大の成功要因に対し、自分自身で大きな壁をつくっているのです。可能思考能力を磨いて、「気づき」を飛躍・前進・成長のドリブン(原動力)として機能させる必要があります。
可能思考能力と気づきの違い
二〇一九年、アメリカの経営学誌『ハーバード・ビジネスレビュー』は、これからの管理者やリーダーや社員、母親・父親、あらゆる人に求められる能力は「セルフ・アウェアネス(自己認識・気づき)」だと述べています。
日創研では、そうした発表がある以前の一九八七(昭和62)年から、仕事や企業経営に関連づけて、この「自己への気づき」をいかに高めていくかという体験学習を全国各地で行っています。動画学習ツール「グロースカレッジ」も開発し、リマインド学習を自社内で活用できる仕組みを提供しています。
気づく力が、企業経営でも、人生でも、対人関係でも、今一番重要です。では、可能思考能力とアウェアネス(気づき)の違いは何でしょう?
可能思考能力とは「可能性に気づく」という意味も含めて、自己の内外で起きるさまざまな出来事を思考し、それらを「発展的に展開する能力」と定義しています。
われわれは日々、さまざまな情報を得ています。その良質な情報を、企業経営や仕事、対人関係、人生に生かしていくため、困難な事柄にも可能性を見いだし、気づき、それらを発展的に思考し続けることで、何らかの社会的価値を生み出す能力を持っているのです。
理論だけではなく、体験や経験を通して自ら「気づきの力」を高めながら、仕事でも、対人関係でも、自己の能力をさらに開発していくことが誰にもできるのです。とくに、人間力の強化は、生き方や仕事や経営の根幹です。
永続的なハイパフォーマーには、人間力・考える力・仕事力・感謝力の四つの基礎能力が必要不可欠です。人間力とは人格の力のことです。人格の力は人を静かに惹きつけます。感謝力に優れ、人を支援して育てることを優先します。
本記事は、月刊『理念と経営』2025年1月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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