企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

ブランドとは信頼・尊敬・栄誉である

企業の成否は経営幹部で決まります。スターバックスのハワード・シュルツ氏は、最初から価値観共有の経営陣チームをつくりました。あなたも可能思考能力を活かして「最強の経営チームの一員」となり、ブランドづくりに参画してください。

デイブがいれば本物になれる

 スターバックスのCEOになったシュルツ氏は、壮大な夢の実現のために、資金集めに奔走しながら、自分の不得手な分野を補ってくれる優れた経営陣を求めました。

 運よくデイブ・オルセン氏に出会います。彼は「カフェ・アレグロ」という大衆向きの小さな店を経営していました。「学生や大学教授がよく立ち寄り、哲学やアメリカの対外政策などについて議論したり、カプチーノを飲んだりする店だ。カフェ・アレグロは、後のスターバックスの原点になった」と、シュルツ氏は述べています。

 シュルツ氏は、「デイブがいれば本物のコーヒー専門店になれる」と確信し、謙虚な物腰、正確な話しぶり、鋭い観察力、明るい笑顔に接し、自分よりも優れた才能や人柄を感じたのです。オルセン氏も自分の望んでいるものが、シュルツ氏のミッションと同じ方向を向いていることを知ります。

 シュルツ氏は、「自分の手持ち資金が少なかったので、年一万二〇〇〇㌦という安い給料で週一二時間働くことを承諾してくれた」と述べています。そして、「デイブが私たちのチームに加わったのは金のためではなく、チームを信じたからだ。(中略)デイブは、わが社のコーヒーの良心となった」と語っています。

 オルセン氏はスターバックスの商品ブランドづくりに使命を感じ、スターバックスの歴史に名を刻みます。やがて、スターバックスのコーヒー担当上級副社長の地位を得て、自分のことを、従業員でも、役員でも創立者でもない「運のいい骨身を惜しまぬ協力者」とみなして最高の歓びを手にしたのです。あなたも管理力を発揮し「経営陣」のチームに参加して幸運をつかみませんか。


あなたが経営陣に入れる条件とは

 オルセン氏が自分を、従業員でもない、役員でもない、創立者でもない立場だということは、スターバックスは、精神的に自由度が高いという意味にとれませんか? それはオルセン氏が、絶対的な信頼を得ているからです。

 その証拠に、ストックオプションで多額の報酬を得て、かつ、CEOであるシュルツ氏から信頼・尊敬され、その分野においては一〇〇%精神的自由度が約束されているのです。

 つまり、同じ仕事をしていても、自主的に考え、計画を練り、アイデアを出し、自主性(オーナーシップ)や主体性を発揮すれば、いつでもどこでも自由に行動することができます。それが真の管理力です。

 一つひとつ指示され、管理されるよりも、日々自らを自律的にチェックして、結果を分析・評価・反省し、さらにその分野のスペシャルな能力を磨けば、あなたも今の組織で有能な経営陣のチームに入れるはずです。管理力とは、三位一体経営の中核を担う力であり、誇りあるポジションなのです。

 スターバックスで働いていた、ある学生さんは卒業して就職の準備をするときに「スターバックスを去りたくない」と思ったそうです。

 管理力とは、有能な経営チームに参画する意欲のことであり、現在の自分の部下に「この会社を去りたくない!」と思わせる力なのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2024年4月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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