企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

自分を磨いて部下のモデルになっていますか

コロナ禍だけでなく、円安、物価高、資産不足、人手不足と続き、経営幹部の心労も尽きないことと思います。しかし、こういう試練の時こそ最大の活躍の場が与えられているのです。社長を励まし部下へは自社の未来のありようを語るのが管理力です。

五つの好奇心を自力で育てよう

 経営幹部にとっても、現場の人にとっても、社長にとっても、五つの好奇心を自力で育てることが大切です。第一は、お客様にもっと好奇心を持つことです。それがお客様への「やや無関心さ」を「関心」に変えていきます。好奇心、関心がなければそこからは何も生まれてきません。好奇心がお客様の歓びをつくるのです。
 お客様は①どのような動機で自社製品を購入されているのか。逆に、②なぜ、購入することを止めたのか、③いつ止めたのか、④どういう不手際があったのか、⑤今後どういう対策を練るべきなのか。経営幹部のお客様への好奇心や関心は、自社の顧客数の増加を必ず生みだしていくのです。
 お客様への好奇心が自社独自の「顧客価値」をつくり、顧客のお困り事の気づきの源泉となり、解決の糸口となって解決案が具体的に出てきます。
 第二は経営幹部としてのマネジメント能力アップに好奇心を持つことです。必然的に貢献意欲や自己成長意欲が生まれてきます。マネジメントの父とも呼ばれるドラッカー博士は、セルフマネジメント(自主管理)の推進、すなわち、社長に指示されて
行うのではなく、自分でプランニングする力を身につけ、自分の計画を自主的に実行に移すことを推奨しています。
 神様でない限り失敗もあるでしょう。しかし、好奇心や関心の高さは、失敗の確率を低く抑えます。多くのミスは好奇心の弱さ、関心度の低さが引き起こすのです。
 よしんば失敗したら、「その体験を振り返り、素直に内省し反省する」習慣を身につけることが大切です。0体験(エクスペリエンス)して②内省・反省(リフレクション)する心と姿勢が3気づき(アウェアネス)を生み出していきます。

部下育成の最も効果的な近道とは

 ①目標を計画し、②行動し、③その都度確認し、④最後に評価・分析・反省を繰り返し、成果をつくり、目標達成能力を熟達していくことを、PロCAサイクルと呼びます。すべてを自主的に回せるように、自分の「スキル向上」に好奇心を持つことが、第三になります。つまり、厳しい時代だからこそ受け身ではなく、あえて好奇心を持って何事にもトライし、日々新たに挑む気持ちがあなたを育てるのです。
 第四は部下育成に好奇心を持つことです。コロナ禍が組織の絆を大きく破壊しました。予想以上に回復していますが、部下育成はとても大切な事柄です。デジタル社会にこそ人間主役の経営が求められています。そのためにもあなたが自社内での部下のモデル(お手本)になることです。
 誰もが自分だけの強みを持っています。①お客様との関係性をつくるのがうまいとか、②もの作りは誰にも負けないとか、③営業でもクロージングが得意とか、④絶えず目標達成しているとか、⑤アイデアを出すのが得意だとか、何らかのお手本になるのです。
 部下育成で一番効果的な近道は、部下のお手本にあなたがなることです。第五は自分の強みや可能性をより磨き、部下にあなた自身をモデリング(見習う)してもらうのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2022年10月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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