企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

心を燃やせ、 歯を喰いしばって前を向け

若者の活躍が目立ちます。より高い記録に挑む姿に「自分軸」の確立を教えられます。また、『鬼滅の刃』のヒット現象は、若者が「善悪を見抜く社会軸」を持っていることを感じさせます。「世のため人のための命懸けの生き方」が求められているのです。

"世のため人のため"の生き方はダサくない

 日本だけではなく、『鬼滅の刃』は海外でもヒットしているようです。なぜこの漫画が売れるのか。なぜ映画が記録的な興行収入を得るのか。それは、明確な自分軸と社会軸が描かれているからです。
 多くの登場人物がいますが、私は鬼殺隊の炎柱「煉獄杏寿郎」が大好きです。これは私の感想ですが、人間を食ってそれをエネルギーとする永遠の命を持った鬼とは、人間が持つもう一つの姿です。例えば、ロシアのプーチン氏にそれを見ることができます。人間性を失い、自らの欲望だけで他者の生
命を犠牲にして自分を守っているのです。意味もなく人の命を奪う鬼を全滅させることが、煉獄杏寿郎の目的です。柱とは特別優れたリーダーであり、最高位の剣士の一人です。「炎の呼吸」の技を使うので炎柱と呼ばれます。
 向上心や自己成長意欲が高く訓練を積んで強くなっていきます。正義感にあふれたリーダーです。まさに自分の価値観を明確に持ち、人間を鬼から守るという志の高い「自分軸」を確立した剣士です。
 自分の任務や責務を全うし、鬼の中でも特に強い上弦の猗窩座に敗れるシーンは、思わず泣いてしまいます。自己犠牲もいとわぬ強烈な「社会軸」を確立し、その強さや行いによって多くの信頼を得ます。他の剣士たちに大きな影響を与える理想の人物です。
 この作品を知らない方々は、"勧善懲悪"の時代劇と考えてください。鬼は「悪」を象徴し、悪を倒す鬼殺隊は「善」です。映画の終盤では、技では上の煉獄杏寿郎が、何度切り倒しても生き返る永遠の命を持つ鬼の猗窩座に敗れます。若者たちは素直に涙を流していました。つまり、今の若者も善悪の明確な判断ができ、健全な「社会軸」を確立しています。

マネジャーは行動と言葉で部下を導こう

 マネジャーとは、マネジメントする人のことです。トップ・ミドル・ロワーのそれぞれのマネジャーは、偉い人という意味ではなく、率直にいえば責任という意味だと思います。それぞれのポジションには明確な役割があり、任務があります。自分を含めてその任務を遂行して成果をつくることが求められています。
 そのために組織全体の目的を共有することから始めなければなりません。煉獄杏寿郎はなぜ鬼殺隊の皆に尊敬されるのか。第一に「鬼殺隊の目的」を明確に持ち、揺るがないことです。つまり、口先で語るのではなく、身を持って鬼殺隊の目的を全員に示しました。第二は、恐ろしい鬼たちを倒すためには、お互いが協力し合わなければできないと信じていました。チームワークです。
 第三は、そのために鬼殺隊の個性的な隊士たちとコミュニケーションをとることです。ビジネスなら報告・連絡・相談・確認を取り合えば、二〇%は生産性が上がります。働く時間が長い割に効果が出ないのは、無駄な時間をマネジャー自身が使っているからです。管理力とは実践して成果をつくり出す力のことです。煉獄杏寿郎には無駄な時間はありません。目的・目標達成のために、まずは戦ってみせ、その姿と言葉の両面から部下を導いていきます。

本記事は、月刊『理念と経営』2022年6月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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