企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

戦略参謀は一度、 私心を捨ててみませんか?

誰もが可能性を持っています。しかし、固定観念や先入観が能力の発揮を妨げています。レネス(学ぶための心身の準備)ができていないからです。うまくいかない人は、仕事び、部下指導の際の心身の準備不足です。準備次第であなたも立派になれるのです。

「社長についていけばよい」時代ではない

 仕事を効果的に行うための基礎・基本的な要素を、「ジョブ・ナレ」「ジョブ・ナビ」として、いつでもどこでも何回でも学べるようにしています。タブレットやスマートフォン、パソコンを使って学びます。
 その番組の一つに「経営幹部は戦略参謀たれ」があります。「社長の後ろをついていけばいい」「社長の言う通りにすればいい」という悠長な時代ではありません。
 自ら幹部としての立ち位置や業務を明確に理解していなければ、"社長を先導していく、という大切な任務を遂行できず、自己認知能力に欠けることになります。
 気づき(自己認知)の大切さが注目されたのは二〇一八(平成30)年頃です。現場が、いつもお客様の満足を生み出す心身の準備を整え、経営幹部が、絶えず部下育成の準備状態にある企業は、間違いなく成長・発展します。管理力とはそういう「自社のなりたい状態」を自ら生み出していく力のことです。そのためには常にレディネスが必要です。
 うまくいかない人ほど周りの意見を受け入れず、自分の考えを固持する傾向があります。立派な幹部になりたいと思っているのに、レディネスが機能していないのです。心身の準備態勢が整わず、貴重なアドバイスに無意識に反発している。従って成長が止まります。逆に、常に自己成長のためにレディネスを整えることで、物事はうまくいくようになります。

基礎・基本が疎かだと応用で行き詰まる

 株式会社ミヤザキの山之上道廣社長は、人間力・考える力に富んだ人です。起業当時はいろいろな侮辱を受けたりしますが、「そのおかげで今があります。鬼に見えたが鬼はいない。みんな神様だった」と受け止めています。感謝力の高い人に共通する解釈力です。
 二度の経営危機を突破したポイントを聞くと、「自分を一旦捨ててみることですね、自分の立場を守ろうとする経営者や幹部は、自分を捨てることができません。人間として誠実であること、問題の前で躊躇せずに解決のために必死で考え抜くことが大事です。私が二度の危機を乗り越えることができたのは、事実を直視して誠実に対応したからです」と述べられました。
 困難に出遭ったときの解決策は、誠実さです。私心を捨て切れるのは、レディネスが整っているからです。
 戦略参謀としての幹部には、基礎・基本・応用の三段階の能力が求められます。基礎とは人間力と感謝力の二つです。基本とは考える力と仕事力の二つです。常日頃から深い"ものの見方"や"考え方"をする訓練が必要です。浅い考えには、基礎・基本が身につきません。
 応用とはベストな方法や手段やスキルのことです。ところが、基礎や基本を疎かにしていると、応用で行き詰まります。山之上社長は経営危機のとき、銀行の支店長に正直に嘘偽りのない数字を報告しました。その
人間的な誠実さが相手を動かし、融資が下りて一つの危機を乗り越えたのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2022年5月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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